もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第9章 ナージャの思い
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「離して!」
マコがキースに言うが、キースは離すどころか腕をつかむ強さが強くなる。そして、思いっきり自分の方へマコを引き寄せた。マコは抵抗することができず、キースの胸に収まってしまった。
(え・・ええええええ‼・・私いったいどうなるの?)
マコは白黒目をさせているとキースは優しく抱きしめた。その優しさに思わずドキッとしてしまう。
「マコレット・・・。」
優しくて低い声にマコはクラッとする。このままずっとこうしていたいと半ば思い始めたときマコはあることに気づく。
ドクンドクン――
マコは一瞬自分の鼓動かと思ったが、違った。そう、それはキースの心臓からする鼓動だった。その心臓の速さでマコはキースが緊張しているのかと思ってしまった。
「キース・・・。」
「なんだマコレット?」
「なんでこんなにキースの鼓動が速いの?」
それを聞いたキースの目が見開く。マコはなにかおかしなことを言ったのかと思った。しかし、そう思った途端キースは意地悪そうな顔をした。
「なんでだか知りたいか?」
マコに問いかける。
「別に知りたいわけじゃ・・・。」
マコが目を背ける。
「マコレット・・・。」
キースがマコの名前を優しく呼ぶ。それを聞いてマコはまたキースの方を見る。すると、さっきまでマコを抱きしめていた手をマコの両頬に添えた。すると、キースの顔がマコにまた迫って来た。マコは顔をキースから背けたいが、キースに顔を固定されていて背けることができない。そして、あと数ミリのところでマコは目をつぶってしまった。すると、マコの額に柔らかい感触がした。
(エッ!?)
マコがゆっくり目を開けると目の前にはキースの星が宿るような青く優しい瞳があった。しかし、次の瞬間また意地悪な顔をする。
「やせっぽっちのおちびちゃんが分かるのにはまだ早いな。」
「え?」
思わず目を点にするマコ。そんなマコを見てキースは、おかしくて笑ってしまった。
「ちょっとキースなにがそんなにおかしいのよ!それにまだ早いってなによ!」
「マコレット、早く大人になれ!」
そう言うとキースはマコから離れる。
「大人になれですって!私はこうみえても大人ですよ!ちょっと待ちなさいよ!」
今度はマコがキースを追いかける。しかし、キースは泳ぎが早くてマコには捕まえられない。
(もう、あとで泳ぎの練習しよっと!)
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