もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第7章 アメリアの提案
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「ナージャ、君は少なくともヘルマンとローズマリーから命を狙われている。アメリア夫人は、デイルに狙われている。」
「そうですわね。あなたの言っていることは正しいわ。」
アメリアが肯定する。ナージャも頷く。
「となると、クリスタルの契約者3人相手に戦わないといけない。これは相当厄介だ。ましてや、こちらにはクリスタルを自由に使いこなせる者がいない。」
ナージャは、ハービーの言葉を聞いて不安になる。
(確かに私の力は強いらしいけど、自分で使いこなせていない。やり方だって分からない。おまけにマコだっていない。)
「状況から見れば、こちらが不利というのは分かっています。そこで一つ提案があります。」

アメリアが、ポケットからあるものを取り出した。それを見てナージャの目が輝く。
「それは・・・マコのペンダント!どうして・・アメリアさんが?」
ナージャが聞くと、アメリアがゆっくりと話し始めた。
「これは、私がよみがえるときにマコレットが私に託したもの。」
「マコが?」
「ええ。実は、私とマコレットはこないだの大英博物館の一件で一度会っていたのよ。」
「え?」
驚きを隠せないナージャたち。
「そうね、驚くことかもしれないけどそうなのよ。その時、彼女はすでにデイルがやろうとしていることに気づき始めていた。そう、自分が私を甦らせるための道具になることも・・・。」
その言葉を聞いてナージャは立ち上げる。
「それって、マコは・・・自分が死ぬかもしれないって分かっていたってことですか?なら、どうして私に相談してくれなかったの?」
「ナージャ落ち着くんだ。」
フランシスが、ナージャを落ち着かせようとする。
「きっと、あなたを巻き込みたくなかったのよ。それにあの時点では確証もなかったから・・マコレットはあなたに言えなかったのよ。もちろん、キースにも言っていなかったみたいだったしね。」
「それで・・あなたの提案とは?」
ハービーがアメリアの提案を聞きたがっている。
「今度は、私がマコレットをよみがえらせるのよ。そう、このナイト・ジュエルを使って。」
「お母様・・それは・・つまり・・。」
フランシスは、自分の母親が言わんとしていることが分かった。
「そうよ、フランシス。私は、自分の命を代償にマコレットを甦らせるのよ。」
「そ・・そんなこと・・。確かにマコに会いたい・・だけど、だからってあなたが犠牲になることは・・。」
「ナージャ、これはマコと話し合って決めたこと。それにもう私は死んでしまっている身。今必要な人は、私ではなく、銀の女騎士であるマコレット。そう、彼女しかこの状況を打開できないわ。」
アメリアの目には決意が込められていた。
「分かりました。あなたの提案に賛同します。」
ハービーが言う。
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