もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第7章 アメリアの提案
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「ハービー、こちらは僕の母の・・・。」
「アメリア・ハーコートと言います。キースがいつもお世話になっています。」
アメリアはハービーにお辞儀をする。どうやらキースとハービーの仲を知っているようだ。
「こ・・こちらこそ。」
ハービーも慌ててお辞儀をする。しかし、ふとあることに気づいてようで頸を傾げる。
(はて、確か前にハーコート家を調べたときにキースの母親はもう亡くなっていると思ったんだが。それにキースも自分が幼いときに母親を亡くしたということを話していたような・・・。)
「えーと、失礼ですが・・あなたは本当にハーコート夫人ですか?」
ハービーは念のために確認をしようとする。
「ちょっと、ハービー失礼じゃない。どうみたってフランシスとキースのお母様じゃない。こんなに似ているんですもの。」
ジェーンが横から割り込む。一方のアメリアとナージャ、フランシスは困った顔をしている。
「実は、ハービー。話すと長くなるけど・・・。」

ナージャが自分たちの身に起ったことをハービーとジェーンに話した。ナージャが話終わるとジェーンは目を丸くして、ぼうっとしていた。一方のハービーは考え込んでいる。しばらく、沈黙が続いてからハービーが口を開いた。
「ナージャの話を整理すると、ここにいる君の母親は、マコレットのクリスタルの力によってよみがえったってことかい?そして、マコレットはその代償として死んでしまったと・・・。」
ナージャが俯きながら頷く。すると、ジェーンが急に立ち上がった。
「ハービー、マコが死ぬわけないでしょ!」
「ジェーンさん・・・。」
「だってマコは、あんなにいつも元気で、頼りがいがあって・・かわいくて・・。」
ジェーンの声が上ずっている。そして、目には涙を浮かべている。
(ジェーンさんは、マコのこと大好きなのね。私だって・・・マコが死んだなんて思いたくはないけど・・。)
「ジェーン、そんなに泣くな。」
「でもでも・・・私信じられないもん。マコが・・・。」
ジェーンが今にも大泣きしそうな顔する。つられてナージャも悲しくなってきてしまった。ナージャの顔を見たハービーがジェーンに言った。
「ジェーン、今一番悲しいのはナージャなんだ。そんな顔をするな。それに今は悲しんでいる暇はない。」
頭の回転が速いハービーには、ここで悲しんでいる時間は無駄だと考えていた。
(ナージャの言うことが真実なんだとしたら。ナージャもハーコート夫人も狙われているということになる。しかも、もうすでにヘルマンは動き始めている。)
ジェーンは、ハービーの言葉を聞いて少しシャキッとしたようで、泣くのをやめた。ナージャも涙をこらえた。
「ナージャが、言っていることが起きていることならば・・・今君たちは窮地に立たされていることになる。」
ハービーが話はじめる。
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