もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第4章 ショック
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「え!」
ナージャは、目を見開く。
「それは、どんな方法なんですか?」
涙でぬれた顔でアメリアを見る。
「方法と言っても、ナージャとフランシスではできないことよ。それにキースの力も必要ね。そう、あの子がカギをにじっていると言っても過言ではないもの。」
「キースが?」
アメリアが頷く。
「マコレットが願いを言い終わると同時にあの子も願ったの。そう、ナイト・ジュエルに・・・。」
アメリアに言われてナージャは、あの時キースがとった行動を思い出した。キースはあの時確かにマコに近づいてなにか叫んでいた。
「兄さんはなにを願ったんですか?」
フランシスがアメリアに聞くとアメリアは少し間をおいて話し出した。
「キースはあの時確かにマコレットの命の危機を直感的に知り、マコレットを死なせないと願ったのよ。」
ナージャはその言葉を聞いて、少し顔に血の気が戻ってくる。
「それじゃあ、マコは・・・。」
「でも、その願いは簡単なものではないわ。」
「え、どういう意味ですか?」
アメリアは、少し考え込んで話し出した。
「デイルの願いとキースの願いは逆行する願いだったから・・。だから、その衝撃であの時すさまじい衝撃波が生じてしまった。そして、キースは今試されているのよ。」
「兄さんが、試されている?」
「ええ、ナイト・ジュエルによって。そう、叶える価値のある願いをしたのかを・・彼は試されているのよ。そう、あの世で。」
「ま・・まさか・・キースも・・。」
アメリアは、首を横に振る。
「正確には、キースは死んでいない。試すためにナイト・ジュエルがあの子をあの世に送った。だけど・・もしもの時は私にも分からないわ。」
アメリアが告げた言葉によってナージャに再び悲しみが襲う。しかし、フランシスに抱きしめられていることでかろうじて理性が働き、嘆き狂うことはなかった。
「ナージャ、心配いらないよ。」
「え?」
「兄さんは、怪盗黒バラなんだから。」
フランシスが言った言葉が以外でナージャは驚く。
「どういう意味なの・・フランシス?」
すると、フランシスは、ナージャに笑みを向けた。
「怪盗黒バラは、あるべき場所に返す泥棒。だから、マコは君のもとに帰ってくるよ絶対。」
フランシスの力がこもった言葉にナージャは、勇気づけられたのだった。
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