もう一人のドリームナージャ13(大英博物館編)

□第5章 首飾り
2ページ/4ページ


「うん!」
ナージャは、マコの手を取り、クレオパトラの首飾りを見にいこうとした。そんな二人の中の良い姿を見ていた、キースとフランシスは、二人のナージャの姿を微笑ましいと思った。
そんな二人の後をクリスチャンが後を追った。二人が、首飾りが展示してある場所に向かうと、すでに多くの観光客が押し寄せていた。
「ナージャ・・・これじゃあ見れないね。」
マコはナージャに言った。
「そ・・そうね。」
ナージャとマコは、13歳にしては背が小さかった。だから、背伸びをしてもクレオパトラの首飾りをおがむことすらできないでいた。そんな二人の姿を見たクリスチャンが歩み寄った。
「今はちょうど観光客がいるけど、ちょっと並んでいれば、見られるよ。」
クリスチャンが言うとナージャとマコが笑顔になる。その笑顔がそっくりだったので、クリスチャンは、驚いた。
「そうね。なんでも急ぐのがいいとは限らないから。少し待ちましょう。」
ナージャが言うと、マコは頷いた。





『西洋の騎士・・・童はここだ。さあ、童のもとへ来るのだ!』
突然マコの頭の中で女性の声が響き渡った。マコは、周囲を見たが、誰も自分を呼んでなどいない。
(おかしいわ。確か今誰かが・・・?)
マコは周囲を見回す様子を見て、ナージャが不思議そうな顔をする。
「マコどうしたの?」
「え?」
「さっきからきょろきょろしているじゃない。」
ナージャが、マコが周囲を見ていたことを指摘すると、マコは苦笑いをした。
(誰も読んでないから気のせいよ。きっと!)
「大丈夫よ。ただの空耳みたいだし。」
マコの返答に首を傾げる。
『空耳ではない。お前は、私のもとに来るのだ・・・さあ。こっちにこい!』
マコの頭の中にまた声が響き渡る。すると、マコは突然激しい頭痛に襲われ、頭を抱えて座り込んだ。マコの姿を見たナージャとクリスチャンが驚いてマコに声をかける。しかし、マコにはその二人の声が届いていない。
「頭が、すごく痛い!」
マコは頭を抱えながらうめき声を上げる。少し離れたところにいたフランシスとキースもマコの姿を見て急いで駆け寄って来た。
「マコレット、いったいどうしたんだ?」
キースが慌ててマコに駆け寄りマコの様子を見ている。
「頭がすごく痛いの!なんでだか分からないけど・・・。」
マコはかろうじてキースの声掛けに答えるとまた苦しみ始める。周りの客もマコの状態を気にかけている。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ