もう一人のドリームナージャ13(大英博物館編)

□第2章 不安
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そのころ、マコたちは、喫茶店でお茶を飲みながら新聞を読んでいた。久しぶりに見た英語の新聞を見て、ナージャは目を輝かせている。
「新聞・・そんなに楽しいの?」
マコは、ナージャの楽しそうな姿を見て不思議に思い言った。すると、ナージャは、マコに新聞を見せた。新聞には、ハービーが書いた記事である豪華客船事件の他にデカデカと掲載されている記事があった。
「エジプト調査隊、ついに王女の墓を発見か!?って、こんな記事を見てどうして笑顔なのよ?」
マコは、エジプト調査隊の成功がナージャのうれしいことにどうもつながっていないようで首を傾げた。
すると、ナージャは、写真に写っている一人の青年を指差した。
「この人は、私の友達なのよ。名前は、クリスチャン・ストランド。昔彼の先生に当たるハドソン教授にお母さんが資金を提供したこともあったのよ。」
マコは、ナージャの指さした青年をまじまじと見た。見たところひょろりとした体系でとても、発掘ができそうな感じはしなかった。
「へえ、友達ね・・・・。ナージャって本当にいろんなところに友達がいるね。」
「そうかしら、マコが言うほどじゃないわ。」
ナージャにとっていろんなところに友達がいるのは特別不思議なことには入らないようだ。しかし、フランシスとキースは、少し興味を示していた。
「そのクリスチャンとはどこで会ったんだい?」
フランシスがナージャに聞いた。確かに普通に考えて、考古学者と友達なんてどんなところで出会ったのか誰だってきになるところだ。
「えーと、彼とは1年前くらいに大英博物館で偶然出会ったの。」
「へえ、偶然ね。本当にすごいわね、ナージャは!」
マコは感心して言った。
「マコ本当に偶然よ。大英博物館の前でたまたま私は、ダンデライオン一座の公演をしていたの。そしたら彼がたまたまいたのよ。」
「へえ、そのクリスチャンもナージャのファンってわけね。」
マコは、毎度のことながら世界中にナージャのファンがいることに半分あきれていた。どうも、自分の双子の姉がこんなに男性をひきつけてしまうことが最近気がかりになってきていた。
「私のファンじゃないわよ。友達!」
「向こうがそう思っているかは分からないわよ。ナージャは、知らない間に男の人をとりこにしてしまうから。」
マコはからかい半分で言っていたが、側でマコの話を聞いていたフランシスにとっては気が気ではなかった。内心フランシスだって、ナージャを取り巻く人物たちを気にしていた。それは、以前キースとナージャを取り合ったことにも端を発しているが、ナージャは無意識のうちに男性をとりこにしてしまうからだ。
「もう、マコったら!私にそんなことできるわけがないでしょ。」
それを聞いた3人は、押し黙ってしまった。
(無意識って怖いわ・・・。)
マコは、この時本当にそう思った。そして、フランシスのことを考えると複雑な気分になった。
(ナージャは、もっと自分のダンスの才能以外の才能に気づかないと、フランシスだって気が気ではないはずよ。)
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