もう一人のドリームナージャ11(ロマンス編)

□第8章 ロマンチック
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その優しい言葉にアーサーは、自分の理性が吹っ飛びそうになる。でも、寸前のところで冷静を保とうとした。
「え・・えと・・・その・・・僕は、ただ・・・。」
「ただ?」
メリーアンがアーサーの目をじっと、見つめる。アーサーは、その目に耐えられなくて、自分の目をつぶってしまいながら、自分の気持ちを打ち明けてた。
「僕は、君のことが好きだったんだ。そう、初めて見たときから・・・。」
アーサーが自分の気持ちをメリーアンにぶつけると、メリーアンの頬を赤く染めた。
「アーサー・・・。」
「ごめん・・・。君がお見合いしているのに・・・不謹慎だよね。」
アーサーがその場から去ろうとするとメリーアンがアーサーの腕をつかんだ。
「アーサー・・・私も・・初めて見たときからあなたの事を・・・。」
そうメリーアンが言おうとしたらアーサーがメリーアンを抱きしめた。
「キャッ!」
メリーアンがびっくりして小さい声を上げる。すると、アーサーがメリーアンの耳元でささやいた。
「それ以上言うと、僕は君をあきらめられなくなる。だから・・・。」
アーサーが震える声で言うとメリーアンが言った。
「なら言わせて、私あなたのことが好きよ。初めて会ったときから・・・。」
メリーアンが言うとアーサーの腕に力が入り、再びメリーアンを抱きしめる。
「メリーアン・・・。」
アーサーがそう言い終わると、アーサーは少しメリーアンから離れから彼女のきれいな唇に自分の唇を重ねた。メリーアンは今までに味わったことのない幸せを感じっと瞬間だった。そして、この幸せな時間が長く・・・できれば永遠に続けばいいなと思った。



そんな光景を結局、こっそり遠くから見ていたマコは、はあとため息をついた。そのマコのため息を聞いて、メリーアンの恋の行方がどうなったのか見当がついたフランシスは安心した顔をする。
「さあ、マコ行こうか!」
「待って今いいところなんだから・・・。」
マコがフランシスにも見ればいいじゃないと言わんばかりの顔を向けるが、生真面目なフランシスにはそんな人の恋を盗み見ることなどできなかった。本当ならマコをそのままロビーまで連れていくはずだった。しかし、マコがフランシスに対して、もしアーサーがメリーアンを泣かせたらどうするのと問いかけられて、生真面目で責任感が強い彼の心が揺らいだ。もとはと言えば、フランシスとの縁談がうまくいかなかったから、メリーアンがこんな思いをしているのだとフランシスは思ったからだ。それに、もしアーサーとの恋がうまくいかなかったらメリーアンが今度は立ち直れないかもしれないとも思った。だから、しぶしぶマコと再び戻ることにした。しかし、フランシスは、幼馴染みが恋人とキスしている姿などを見ることはできなかった。それは、紳士としては恥ずべき行為であると分かっていたからだ。
「マコ!いい加減にしないと本気で怒るよ。」
フランシスが言っているが、マコは動こうとしない。なんだかんだ言ってもマコも、恋には興味がある女の子なのだとフランシスはこの時思った。しかし、こんなところにいたら二人に見つかってしまう。
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