もう一人のドリームナージャ11(ロマンス編)

□第8章 ロマンチック
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フランシスはため息をついた。
「君は、そう思わなくても、君が気づかないうちに邪魔をしかねないだろ?」
フランシスは、これまでのマコの大胆な行動を知っているので、正直に話した。すると、マコはふてきされてますます不機嫌になった。どうやらフランシスに信頼してもらっていないことで機嫌が悪くなったみたいだ。
「そんなことないわ。」
「いいやあるね。こればかりは僕の言うことを聞いてもらうよ。」
フランシスはマコの手をしっかり握りマコをメリーアンとアーサーから引き離した。もちろんマコはフランシスに抵抗したが、マコの抵抗のパターンを知っていたフランシスは、なんらくマコの抵抗に対しても抑え込むことができた。マコは、正直フランシスに自分の抵抗を抑えられると思っていなかった。それは、普段からフランシスがマコとナージャに甘いのもあったが、キースほど手強くないとマコが高を括っていたためだ。
「はあ・・・。」
残念がるマコにフランシスは、内心かわいそうなことをしたかなとも思ったが、幼馴染みの恋の邪魔をしてしまっては、後でいろいろ自分が後悔すると思ったのとメリーアンにはこれ以上嫌な思いをさせたくなかったためでマコには我慢をしてもらうことにした。




後をついて行った、マコとフランシスの姿がなくなるやいなやメリーアンが、アーサーに声をかけた。
「アーサーいったいどうして・・・来たの?」
メリーアンが思い切って聞いた。すると、アーサーはポケットから青いイヤリングを取り出した。それを見てメリーアンはとっさに自分の両耳を触る。すると、メリーアンが自分の右耳についていたはずのイヤリングがないことに気づいた。
「はい。」
アーサーがメリーアンに手渡しする。メリーアンは、青いイヤリングをうれしそうに受け取る。
「アーサー・・・あなたこれを渡すためにわざわざあの部屋に・・・。」
「わざわざじゃないよ。きっと君が、これがないと困るだろうと思ったんだ。このイヤリングは、君がしているからこそ輝くことができると思ったから。」
アーサーは思っていることをそのまま伝えたのだが、メリーアンにはそう受け取られなかった。なぜなら、メリーアンは、アーサーがわざとロマンチックな声掛けをしたんだと思ったからだ。
「アーサーあなたって、とっても・・・その・・優しくて、素敵なのね。」
いつも直情的に言ったり、自分の思い込みで人を悪く言ってしまいがちのメリーアンは、フランシス以外の男性に初めて優しい言葉を言った。それは、アーサーが自分にとって特別な存在であることを示していた。一方のアーサーは、メリーアンの言葉に対して、顔が赤くなり、鼓動が早くなった。
「え・・・そんなことないよ。誰だって・・・僕と同じ行動を・・・とるよ・・・。きっと君の幼馴染みのフランシスだって・・・。」
フランシスの名前が出た途端にメリーアンは、アーサーの口を自分の手でふさいだ。そして、暑い目線でアーサーに優しく言った。
「いいえ、アーサーあなただけよ。きっと・・・。」
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