もう一人のドリームナージャ11(ロマンス編)

□第8章 ロマンチック
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「え?」
「そんな少しの助けだけであいつらを助けた気になれるくらいなら、助けないほうがいいと言ったんだ。そんないい加減な気持ちで助けられても、正直マコレットは、迷惑に感じるだけだ。」
キースは、マコの名前を強調した。その言葉にオスカーは、ドキッとした。キースは、そんなオスカーの反応を見て低い声で言った。
「言っておくが、俺はマコレットを助けるのは俺一人いれば十分だと思っている。それは、俺があいつに対して命を懸けて守る覚悟があるからだ。だが、オスカーお前にはその覚悟があるか?」
「僕だって・・・。」
「正直お前にはそんな覚悟はない。お前には、マコレットと同等に考えている家族がいる。だから、マコレットにだけ、命を懸けることなんて無理だ。だが、俺はもう、家族も捨てたし、家を守る必要もない・・・そう、俺はあいつだけを守り通すことができる。」
キースがオスカーに言い放った。オスカーは、この言葉に反論できなかった。というのも、キースの言っていることがあながち間違いではなかったし、まさかキースがここまでマコレットに本気だとは思っていなかった。
「君は・・・マコレットに・・・。」
「ああ。俺にはあいつだけがいればいいと思っている。だから、他のものはたとえ失って構わない。」
キースの青い瞳の中に炎が見えた。その炎を見てオスカーはキースのマコに対する愛には勝てないと思った。
「キース・・僕は、君を見くびっていたようだ。」
「へえ、俺は格下に見られていたわけだ。」
そう言うと、キースはオスカーから離れ、歩いて行く。オスカーは、キースを呼び止める。
「オスカーおまえはそこにいないといけないが、俺は幸い恋人役ではない。だから、自由に行動させてもらう。」
キースはそう言い残し、マコとフランシスを探しに行った。オスカーは、一匹狼のキースを羨ましく思った。でも、自分にはそんなことができないと同時に感じていた。家族も友人・・までも捨てることなど彼には考えられないことだった。
「僕は・・・どうやら君の覚悟には勝てないみたいだね。」
オスカーが一人つぶやいた。




マコとフランシスは、メリーアンとアーサーの後をついて行こうか迷っていた。マコは、正直二人の関係の行方に対して気になっていた。しかし、フランシスは違った。彼はやはり英国紳士だった。というのも、彼は二人の邪魔をしないほうがいいと思い、マコを引き留めた。
「フランシス・・・気にならないの?」
マコがフランシスに聞くが、フランシスは首を振る。
「全然・・・。第一、マコ邪魔をしてはいけないよ。」
「邪魔なんてしないわよ。どうしてそう思うの?」
マコはフランシスの方をふてくされて見た。
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