もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第17章 告白
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「はい、許されるならこのコンクールで私の曲を披露したいです。」
その答えにウォール伯爵が納得したのかまた頷いた。そして、会場の審査員や観客の方を向いた。
「えー、皆様今回ウィリアム・ホーストンならびにマコレット嬢の希望により彼女の曲を聞いていただきます。ただし、正式にエントリーをしているわけではないので審査されません。良いですかなマコレット嬢?」
それを聞いたマコは頷いた。
「では、会場の皆様しばしマコレット嬢の演奏に耳を傾けましょう。」
ウォール伯爵はそう言い残すとステージから降りた。
「マコレット・・・きっと君の思いは彼に伝わるよ。だから頑張って!」
ウィリアムはそう言い残すとステージを去った。
会場は突然現れた少女に注目が集まった。しかし、マコには会場の人々など眼中にはなかった。マコが唯一聞いてほしい人物を見つけるとマコはその人物に向けて一礼し、椅子に座った。
(今日はバレンタインデー・・・じゃあ、この曲名はキースの好きな色にちなんでブラックバレンタインかしら・・・・。ちゃんと聞いていてね。私の思いを。)
マコは、心の中でそう言い切るとピアノを弾き始めた。
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