もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第17章 告白
3ページ/5ページ


今度は側にいたダレンが叫んだ。
「ダレン・・君は邪魔しないほうがいいよ。」
ウィリアムは、いつもの笑顔でダレンに諭した。ダレンは、悔しそうにキースを見る。
「え・・えと、ごめんキース。」
マコはそう言うと、キースから離れた。
(もう、キースったら急にそんなことされたら心臓に悪いわよ。)
「マコレット、みんなが心配する。もうここには要はないんだ。行くぞ。」
そう言うと、キースがマコの手を掴んだ。マコはどう反応してよいやら分からなかった。
「キースちょっと待ってくれないか。」
ウィリアムが叫んだ。キースはその言葉を聞いて足を止める。ウィリアムがそれを見てキースとマコの方に歩み寄る。
「マコレット・・・僕は事実を公表したい。それと同時にたくさんの人に君というすばらしいピアニストがいることを世間に知らせたい。これは僕の義務だと思う。」
「ウィリアム・・・。」
マコはウィリアムの緑色の目を見つめる。ウィリアムは、自分にとってこれから不利なことをしようとしているのになぜか穏やかだ。
「キースも、良ければ乗ってくれないかな?」
キースは、ウィリアムの方を向く。
「ふーん。それがお前の望みならいくらだって俺が記事にしてやる。これで、ウィリアム・ホーストンのピアニスト生命は終わりだな。」
「キース!言い方‼」
マコはキースの言い方について注意した。しかし、当のウィリアム自身が笑っている。
「ははは。君はやっぱり面白いけど、僕は嫌いだ。そう、大嫌いだ。だけど、今回のことに関しては協力してもらいたいな。あと、マコレットにも・・。」
側で聞いていたダレンはキースに対してこんな風に言い切れるウィリアムがすごいと少し感心した。一方のマコは首をかしげる。
「マコレットもキースもこれから僕のいう案を聞いて協力してくれるとうれしいな。」
そう言うと、ウィリアムはマコレット、キース、ダレンに自分の案を話し始めた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ