もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第8章 結ばれた同盟
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「僕のツイン・ジュエルは、物体・人物にいたってなんでも瓜二つのものを作り出せるんだ。だから、もう一人の君をつくることなんて簡単さ。」
そう言うと、今度は、偽物のマコの方に歩み寄った。
「さあ、マコレット・・・君は、これから友人たちと一緒に行動するんだ。くれぐれもばれないようにしなよ。」
「分かったわ。ウィル!」
まるで自分自身がしゃべっているようだった。そういうと、偽物は部屋を出て行った。
「じゃあ、マコレット久しぶりに一緒に曲でもつくろうか?」
マコの顔が青ざめた。
(ナージャ、キース、フランシス・・・助けて!)




(ナージャ、キース、フランシス・・・助けて!)
ナージャは、マコの声がしたきがして後ろを振り返った。しかし、そこには誰もいない。
「気のせいだったかな?」
ナージャは、つぶやくと一人考え込んだ。ナージャは、一人ホテルの中で過ごしていた。
(キースは、マコのことが好きなの?だとしたら、マコはキースのことをどう思っているんだろう?好きなのかな?)
ナージャは、さっきからこんなことばかり考えていた。ナージャにとってマコもキースも大切な人である。キースに至っては元恋人だった。だから、よけい二人のことが気になった。
「確かにキースとマコってどっか似てるような・・・気が合うような・・・。もともと、仲は悪くないわね。でも、二人が付き合うとか両想いとかそんなことぜんぜん分からない。もし、仮にマコが、キースのことが好きなら・・・応援したいけど。」
そこまで言うとなんだか複雑な気持ちになった。それは、ナージャが以前キースのことが好きだった気持ちがあるからかなと本人が感じた。
「よーし、悩んでたってマコのことは、マコに聞かないと分からないんだからマコに聞いてみよう。」
ナージャは、マコに直接聞いて見ることを決心した。
その時、ドアをノックする音が聞こえた。ナージャは、マコかと思い、ドアを開いた。ナージャの予想通りそこにはマコがいた。マコは、ニコッとナージャに笑みを見せた。
「おかえりなさい。マコ。」
「ただいま、ナージャ。」
お互い笑顔で言うと部屋の中に入って行った。マコがベッドに腰を下ろすとさっそく、ナージャは自分の疑問を問うことにした。
「マコあのね。私マコに聞きたいことがあるの。」
ナージャの問いかけにマコはナージャの方に目を向ける。
「なーに、ナージャ。」
「えと・・・え・・・と。」
ナージャは、どう切り出していいか戸惑った。直接聞くのはなんだか気が引けたので、少し遠まわしに聞くことにした。
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