もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第7章 愛の形
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「どうしたもう降参か?」
キースがあざ笑うように言った。すると、ダレンの目に炎が宿った。
「降参だって・・・俺がいつそんなことを言った。それに旅の最中ずっと一緒にいたくせにマコレットに告白のひとつも言えないなんてどうかしているぜ。」
ダレンがキースに言った。すると、今度はキースが少し間を置いてから言った。
「俺は、告白という手段を使って愛を表現しようとなんて思っていない。それよりも大切なことがある。」
「大切なこと?」
「・・・俺は、俺の気持ちを無理におしつける愛よりも、どんなあいつも受け入れて、認めて、守っていく愛のほうがマコレットにとって必要な愛だと思っている。マコレットには、なんでも受け入れてくれる人物が必要だと考えているからな。ダレンお前にはどんなあいつも受け入れられる覚悟があるか?」
そのことを聞いて、ダレンは押し黙ってしまった。まさか、そんなふうにキースが考えているなんて思っていなかったからだ。
「じゃあ、俺は先に失礼させてもらう。」
そういうと、キースは立ち上がりそのままダレンのそばを離れて行った。ダレンは、キースの背中を見た。その背中はどこか自分よりも大きく、どこか力強かった。
(俺は・・・本当にあいつに勝てるだろうか。俺は、どんなマコレットも受け入れられるだろうか?)
ダレンは一人自分に問いかけた。
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