もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第7章 愛の形
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「ああ、そんなことか。俺はマコレットがどこにいるかすぐわかるんだよ。」
ダレンが言った。その言葉にまたキースはイラッといた。
(嘘付け。バカなお前のことだ。しらみつぶしに回ったんだろ。どこまで、ストーカーなんだ!)
「へえ、ずいぶん便利なアンテナが、ついているんだな。」
キースが嫌味たっぷりに言った。すると、ダレンがキースをにらんだ。
「そういう、キースはなんでマコレットと一緒にいるんだ?」
ダレンがキースに聞いた。すると、キースが答える前にマコが答えた。
「私とキースが一緒だったのは、たまたまよ。そう、実はさっきまでウィリアムといたんだけど、ちょとしたことで彼ともめちゃったの。そこにキースがたまたま来てくれたのよ。本当にキースが来てくれて助かったわ。」
マコが笑顔で言うと、キースが優しい目をマコに向けた。それを見たダレンは、自分の聞いたことがまさかマコとキースをいい感じにすると思っていなかったので、悔しかった。ダレンの悔しがっている姿を見たキースがダレンにニヤリと笑いかける。
(マコレットと俺の邪魔をするから、自分から墓穴を掘るんだ。もっと、下でにきけばいいものを。)
(あのやろう、笑いやがったな。俺だって、お前にここで負けるつもりはない。)
お互いの黒い心がぶつかりあって火花を散らしていた。その様子を見ていたマコは何かを感じ取ったみたいでクスッと笑った。
「マコレット?」
キースとダレンが不思議に思いマコに同時に問いかけた。
「だって、なんだか二人がおもしろくって。私が知らないうちにそんなになかよくなっているなんてびっくりしちゃったし、なんだか変な組み合わせだなと思って。」
マコはまだ笑っている。どうやらマコは、キースとダレンがマコの心を射止めようとして戦っている姿を仲の良い友人同士のやりとりと勘違いしたらしい。その勘違いにキースとダレンは、あっけにとられてしまった。
((誰がこんなやつと仲が良い訳ないだろ‼))
キースとダレンが同時に心の中で叫んだ。
「あーあ、おもしろかった。」
マコはそう言うと、おもむろに腕時計を見た。
「こんな時間だわ。キース、お金後でしっかり払うから。私は、ジョンのことが気になるから先にホテル戻っているね。キースもダレンも二人で話したいことがあると思うし。じゃあね、ごちそうさまでした。」
マコは、そういうと立ち上がってそそくさと席を離れ、レストランを出て行ってしまった。後に残された、ダレンとキースは、お互いにらみあった。
「誰がおまえなんかと仲がいいだなんて。」
「まったくだ。だいたい、大馬鹿なお前と俺が一緒にされると腹が立つ。」
「なんだと、言わせておけば。だいたい、お前がマコに言いよってなければこんなことしなかったんだ。」
ダレンがキースに言い放った。
「へえ、別にいいだろ。旅の間俺とマコレットは一緒にいたんだ。今更お前にとやかく言われたくない。」
キースが言い返す。ダレンは、そのことを言われて返す言葉がない。
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