もう一人のドリームナージャ3(操られた貴公子編)

□第4章 ”おもちゃ”
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(あれっていくらくらいなんだろう?高いよな・・・。)
マコはのんきなことを考えていた。もともとマコは、美術品に少し興味があったので、一つ一つよく見たかったのだ。
(やっぱりイマジネーションが絵画を見ると刺激されるな。作曲のイメージを膨らませることができるのよね。)
そんなことを考えていたとき、ダレンが男たちに指示をマコには聞こえない声で出した。マコは、なにをこそこそしているんだと思っていたときにダレンが、ある部屋で足を止めた。そして、扉を開き中に入ると、マコを抑えつけていた両側の男に無理やり部屋に押し込まれた。マコは、その勢いでドンと音をたてて倒れこんでしまった。
「痛たたた・・・。」
マコがそういっている間にドアが閉まった。マコは急いで、扉を開けようとするが外からカギがかけられてしまい、ドアを開くことができない。
「あはははは。」
そんなマコを見ていたダレンがマコの行動を見て笑う。マコは、振り返ってダレンを睨みつける。
「私をどうするつもりか知らないけど、ここから出してもらえるかしら?」
マコは、ダレンに喧嘩腰に言った。すると、ダレンがマコに言った。
「それはだめだな。だって言ったろ。君は俺のおもちゃなんだから。」
「はあ!おもちゃになれっていったのはあんたであって、私は承諾していないじゃない。」
マコは、怒鳴りつける。それを見ていたダレンがやれやれと言った感じでマコに歩み寄る。マコは身構える。
「承諾?おまえ庶民の分際でいい気になるなよ。それに俺のおもちゃになれて嬉しくないみたいだな。」
「嬉しい?はあ、何言ってんだか!」
マコが負けじと大声で言う。ダレンがマコを見た。
(こんな小娘に俺がね・・・。それにこいつおもちゃの意味が分かっていないらしい。)
「そうだとも、これからここで暮らすんだから・・・。」
マコは、意味が分からずきょとんとしている。思わず首を傾げた。
「やっぱりな。おまえおもちゃの意味わかってないな。」
「おもちゃって小間使いかなんかでしょ!」
マコはダレンに言うとダレンは、大笑いした。
「ははははは。やっぱり分かってないな。」
するとダレンは、マコのいる壁ぎわまで近づいた。マコはもう一度身構えたが、ダレンがそんなこと気にしていないらしくマコの青い目をじっと見た。マコは、あまりに近い距離で自分の目を見られたことがなかったため、動揺した。
「つまりおもちゃっていうのは・・・」
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