もう一人のドリームナージャ3(操られた貴公子編)

□第3章 トラブルメイカー
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「なんだおまえ?店の小間使いか?」
ウォール伯爵家の御曹司が歩み寄ってきたマコに言うと、マコはニコッと微笑んでから、持っていたグラスの水を勢いよく御曹司にかけた。それを見ていた周囲の者たちは、唖然としてしまった。
(あのウォール伯爵家の御曹司に水をかけるなんてどうかしている。)
御曹司も突然のことでびっくりしている様子だったが、自分の着ていた服が塗れたことで相当頭にきた様子だった。マコは、相手がどう出るか待った。
(どうせこの手の貴族のおぼっちゃまなんて大したことはないわ。)
マコはそう思っていると意外な反応が返ってきた。
「ほー。この俺に水をかけるなんて大した女だ。おまえ名前は?」
「マコレット!」
マコは、聞こえるようにはっきりと言った。すると御曹司の目が一瞬曇った。
「では、マコレット・・俺を侮辱したことで警察に行きたいか?」
「警察?私は、あなたに当然のことをしたまでよ。貴族だから順番を守らないなんてそんなのおかいしわ。だいたい、貴族の何がそんなに偉いのよ!!」
マコは、喧嘩口調で言った。すると御曹司がニヤッとした。
「へー。こんな小娘がね・・。世の中、危険に自分から飛び込むバカな奴がいるなんてな。でも気に入った。」
そういうと御曹司は、指をならし黒づくめの手段がマコを取り押さえた。さすがのマコもこの集団の多さに圧倒されて、取り押さえられてしまった。
「何すんのよ。」
マコが御曹司に言った。御曹司はマコの顔を見て意地悪しそうな顔をして言った。
「マコレット、喜べ俺はお前が気に入った。だから、お前の勇気に免じて罪にはとはないようにしてやる。その代わり、今からお前はこの俺・・ダレン・ウォールのおもちゃだ。」
「はあ!?」
「連れていけ!!」
マコは黒い集団に体を押さえつけながらダレン・ウォールと一緒の馬車に無理やり乗せられてしまった。
その光景を見ていたナージャ、オスカーが止めようとしたが無理だった。ナージャは、外に出てマコの乗った馬車に向かってマコの名前を叫んだ。






その光景をたまたま店に来ていたナージャたちとは別の3人がいた。
「あーあ連れていかれちゃったわ。」
ジェーンが言った。
「ジェーンこれは大変なことだぞ。」
ハービーが言った。
「まったくだ。いつも思っていたが、あいつは飛んだトラブルメーカーだ!!」
とハービーの隣にいたキースがため息交じりに言った。
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