もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第9章 ナージャの思い
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マコは、なかなか自分のいるところに帰ってこない。彼はついにしびれを切らし動き出した。それを見た彼女の父親がクスリと笑う。
「そんなに心配なのかい?」
レイモンがキースに言った。キースは、振り返らずに答える。
「・・・心配ではない。ただ、あんたといてもらちがあかなんでね。」
そう言うとキースはマコが行ったほうへと歩いて行った。
「本当は心配なくせに。まったく素直じゃない男だ。」
レイモンは半分あきれていた。
(彼が本当にマコレットのことを思っていることは良く分かっている。だけど、だからと言ってマコレットをキースに渡すこと・・いや元の世界に戻すことはできないんだ。だから・・・私は・・・。)




そのころマコは、顔を洗い終わり、きれいな湖を見ていた水浴びをしたくなった。身につけていた洋服を脱いで、下着だけを着たまま湖にダイブした。
ザブン―――
あたりに大きな音が響き渡った。マコは、少しだけ潜ってまた水面に顔を出した。
「ぷはー!やっぱり気持ちいいわね。」
そう言ってマコがさっきまでいた森の方を見たときだった。マコの目線の先にいた人物を見て止まっていしまった。
「え・・ええええええ!」
マコは思わず大声を出してしまった。一方のキースは、マコの姿に驚き、事の重大さを認識することに時間がかかってしまった。そして、状況を把握した時にはすでに遅しだった。キースは、マコに背中を向ける。
「見た・・のね!」
マコがキースの背中に向かって大声を出す。マコの声を聴いてキースは、頭を抱えそうになったが、冷静さのほうがわずかに勝っていた。
「マコレット、こんなところで水浴びをするのはどうかと思うがな?」
すると、それがマコの気に触ったのかマコのキースに向かって水を思いっきりかけた。
バシャッ――
その水はキースの背中にヒットする。
「男なら正直に言ったらどうなのよ!」
マコが言うとキースは振り向く。マコをにらみつけた。マコはその目を見て怒らせたことに気づいた。
(やばい・・・なんだか怒っちゃったみたい。)
マコはそのまま潜ってキースから離れようとした時だった。キースが上半身の服を脱ぎ始めた。マコはその光景に驚き、固まってしまった。
(えーと、そのあの・・どういうこと!?)
キースの行動に理解出来ないでいると、キースも湖の中に入って来た。マコは、上半身だけ裸の彼を見てただ茫然としている。キースがマコのいるところまで来てようやくマコは、キースから逃げるべく泳ごうとするが、泳ぎが大の苦手なマコはすぐにキースに追いつかれ、腕をつかまれてしまった。
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