もう一人のドリームナージャ12(ドーバー海峡編)

□第17章 次なる一歩
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次の日、イギリスに無事に着くことができた豪華客船では、ロンドン港で盛大に迎えられていた。ロンドン港では、取材陣が殺到し、客たちの家族や親せきが押し寄せていた。
「なんだかすごいお迎えだこと。」
マコがロンドン港の様子を見て言った。
「本当ね。でも、みんなが無事だったし、犯人たちも捕まったからいいじゃない。」
ナージャが嬉しそうに言った。しかし、そんなことを言っている側から言い争う声が聞こえていた。
「だから、パパ私は、新聞記者もハービーもあきらめないわ!」
「ふっ、新聞記者なんかにお前をならせたりしない。」
ジェーンとジェーンの父親であるライトナー氏の壮絶な口げんかが始まった。これを見ていた周りの者たちは、唖然としている。お互い、今にも口げんかだけではなく、取っ組み合いが始まりそうだったからだ。
「第一、ハービー・リビングストンは、お前にふさわしくない。あんな変な男のどこがいい?」
「ハービーが、変な男ですって。その言葉そのままパパに返すわ。」
ジェーンが言った時に、ライトナー氏が掴みかかろうとした。見かねたハービーが、二人の間に入った。
「お前、そこをどけ!お前なんぞに娘はやれん。」
ハービーは、親子を見ながらため息をついた。
「いいですか。ライトナー氏・・私は娘さんをどうこうしようとなんて思っていませんよ。しかし、こうも言いがかかりを人前でつけられては私としても黙っていられません。」
ハービーが、ライトナー氏の方を向いて言った。
「言いがかりだと!私は、事実を言っているんだ。新聞記者なんぞ・・くだらないと!」
その言い方にハービーは、ついに切れた。ハービーは、ライトナー氏を睨みつけ言った。
「ライトナー氏、私はこの仕事に誇りを持っています。新聞記者がもし、権力や地位のある者たちが隠そうとしている真実を追求しなかったら誰が行いますか?私は、あなたたちのような強い者たち力に決して屈しません。もし、これ以上ジェーンに詮索を入れるようならあなたのことも記事に書かせていただきます。」
「ハービー!」
ジェーンの目が喜びで溢れている。
「記事に書くだと?私は、何も・・。」
「ライトナー氏の会社には裏金があるということは、分かっていますよ。」
それを聞いたライトナー氏は口をつぐんだ。どうやら、事実のようだ。それを聞いたジェーンは、ニヤリと笑った。
「パパ、新聞記者を相手にするならば、自分自身がきれいにならないとね。」
「ふん、好きにすればいい。だが、私は、ジェーンをあきらめたわけじゃないからな。」
そう言い残すとライトナー氏はそそくさと去って行った。
「ハービーありがとうね。あと、私絶対にあなたのことあきらめないからね。」
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