もう一人のドリームナージャ11(ロマンス編)

□第13章 双子
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マコは一人ロビーでふてくされていた。ナージャにしつこく恋のことを聞かれて腹が立っていたからだ。マコにとっては、恋の話なんてナージャには絶対言えないことの一つだった。それは、マコの好きな男性とナージャの好きな男性がいまだに一緒だと思っていたからだ。マコにとっては、このことがすごく悩ましいことだった。
「なんで私の恋についてあんなに知りたがるのかしら。」
マコは小声でつぶやいた。
そんなことを考えているときだった。ホテルのロビーで突然自分のほうに向かって歩いてくる青年をマコは見た。その青年は、マコの顔を見るなり、早歩きになってこちらに来た。
「キースどうしたの?」
さっきまでキースに対して怒っていたことなど、マコは忘れているようで笑顔でキースに話しかける。そんなマコを見てキースは、なにかあったのかと思ったが、早く自分の持っていたマコへのニュースを聞かせてあげたかったので、そのことは聞かなかった。
「マコレット・・・おまえの家族について分かったんだ。」
「はあ?」
マコはキースが知らないうちに自分の家族について調べていたのだと思わなかったので間抜けな返事をしてしまった。
「急にどうしたの?」
マコはキースの顔を見ながら言った。一方のキースは、真剣そのものの顔だった。
「マコレット、俺は本当におまえの家族が分かったんだ。」
その意味が一瞬分からずマコは首を傾げ、頭の中でキースの言っていることを整理した。
(どういう意味?私の家族が分かったって・・・キースは、私の家族を調べていたってこと?)
そのことを整理すると、マコの顔が次第に驚いた顔をしだす。それを見たキースは、マコに微笑みながらマコに小包を渡した。
「これは?」
マコはキースに聞く。
「おまえの家族がそこに映っているよ。」
キースが優しい目で言った。それを聞いて、マコの心臓はドキドキしだした。恐る恐る箱を開けると、そこには額縁に入った一枚の写真があった。マコは、その写真を見ようかどうか迷っている。
(この写真を見ていいのかな?確かに私の家族のことがわかるけども・・・ )
マコは写真を見るのをためらっていると、キースはマコの手を握った。
「マコレット、そんなに恐れることはない。確かに真実を受け入れるのはたやすいことではないが、この真実はおまえにとって、喜ばしいことだと思う。」
キースがそんなに自信をもっていう喜ばしいことがなんであるのかマコには分からなかった。だが、このまま、手を止めたままではいられないことだけは事実だった。
(どんな真実でも絶対に受け止めてみせるわ。)
意を決したマコはその写真を見た。マコは、その写真に写っている男性と女性、二人の髪の色が違った赤ん坊を見て、目を見開いた。それもそのはず、女性も男性もマコの良く知っている人物だったからだ。そして、二人の赤ん坊を見た。片方は、プラチナブロンドの髪をした子で、もう一人は・・・・。
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