もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第13章 白い粉
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空が暗くなってきたころ、キースは部屋に戻った。部屋にはフランシスの姿があった。
「兄さん、遅かったんだね。」
「まあな。いろいろな情報収集と買い物をしていたからな。」
キースは、買ったものをテーブルの上に置いた。
「なにかいい情報はあったかい?」
「収穫はあまりよくないな。ただ、分かったことと言ったら、ウィリアムの作った曲と言われて発表されている曲が今まででおおよそ100曲くらいあるということくらいだな。」
キースは言った。
「やっぱり証拠を集めるのは容易ではないんだね。」
「ああ。一番の証拠は、マコレットが書いた楽譜が見つかればいいんだが・・・そうも簡単にいかないみたいだな。まあ、ハービーも協力してくれているから時期にいろいろ分かるだろ。」
キースが言った。
「ハービーに会ったのかい?」
「ああ。ハービーには、ちょっと情報をもらった。フランシス・・どうやらデイルが動き出したらしい。」
それを聞いてフランシスの目が見開く。
「どうやら奴は、俺たちを探しているらしいな。」
「僕と兄さんを・・・。まだ彼はあきらめていないんだね。」
キースがフランシスの話したことに同意するかのように頷いた。
「それにあいつは、次にマコレットと会うときにマコレットを殺すと言っていた。だから、俺はそれだけは阻止しないといけない。」
キースが強く言った。フランシスは、キースから強い意志を感じていた。




同じころダレンも、ホテルに戻ってきていた。ダレンは、どうしてマコがあんなところにいたのか不思議に思っていた。ホテルに着いてからマコの部屋を調べて、その部屋に向かった。
部屋に着き、ドアをたたくと、マコが現れた。
「あ!ダレンどうしたの?」
ダレンにマコが笑顔で言った。
「えーと、そのマコレット・・・。」
本題をダレンが言いかけた時、マコが先に話しかけた。
「今ちょうどお茶をいれたところなの。」
「お茶?」
ダレンが急にマコは言い出したのでちょっと不思議に思った。
「ええ、夕食には少し早いし、どうせお話するんだったらお茶を飲みながら話さない?」
ダレンは少し急なマコの提案に戸惑いながらも頷いた。
「あー、よかった。そうだ、隣の部屋にいるキースとフランシスもどうせなら呼びましょう。」
「え!」
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