もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第11章 憧れ
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そのころダレンは、レストランから出て、パリの街中をなんとなくふらついていた。頭の中ではキースに言われた言葉がまだ離れない。
(まったく、キースの奴あんなことをいいやがって!)
ダレンはいらいらしていたが、それが自分の中でキースの言っていたことの答えが出せないからであった。
「ああもう、イライラする。だいたい、あいつはいつもああやってキザで、俺と違ってかっこいいんだ?」
ダレンが悪態をついていると、ふと道端で黒髪の少女にでくわした。少女は、なにか探しているみたいできょろきょろしている。ダレンは、その髪の色を見た瞬間からマコであることが分かった。
「マコレット、こんなところでなにやっているんだ?」
ダレンが不思議に思ってマコを遠くから観察していると、マコはあるお店に入って行った。ダレンは、その店の看板を観て薬屋であることが分かった。
「薬屋?あいつ病気なのか?」
ダレンはマコのことが心配になって薬屋に入って行った。薬屋の店内は、たくさんの棚が置かれていて、マコに気づかれないように遠くから観察することができた。ダレンは、マコに気づかれないように観察していた。
マコは、近くでダレンがこちらをみていることは知らずに店員に薬のことを聞いていた。そして、いくつか薬を取り出してから、お金を支払った。
(マコレットのやつなんであんな薬を買うんだ?)
ダレンは首をかしげる。そうこうしているうちにマコは、店を出て行った。ダレンは、マコがなんで薬を買ったのか知りたくてマコが話しかけていた店員に問いかけてみることにした。
「すいません。さっき来た黒髪の女の子なんですけど・・・私の友人なんです。それで彼女に頼んで薬を買ってきてもらおうとしたんですが、内容を少し間違えたので確認したいんですけど。」
ダレンが丁寧に言うと、店員が答えた。
「ああさっきの子ね。なんでも、殺虫剤やらなんだかのことを聞いたりしてましたよ。まだ、季節は冬なのにね・・。虫でもでるんかいね。」
「殺虫剤・・・本当にそんなものを聞いたんですか?」
「そうだよ。あんたが頼んだんじゃないのかね?」
「えーと・・ええそうでしたね。ありがとうございます。」
ダレンはそれを聞いてから店を出て行った。ダレンは歩きながら考えた。
(殺虫剤なんていらないだろ。だいたい季節は冬だ。それに旅をしているマコには必要ないような。)
ダレンは、もとからこういった考え事があまり得意ではない。どちらかというと、考えるよりも行動するタイプであったため、考えれば考えるほどに分からなくなる。そんなんだから、もう嫌気がさし始めてうなった。
「分からないなら、あいつに聞くまでだ。」
ダレンはそのままマコの行った方向を見て、マコはホテルに帰るところなのだと分かり、ダレンもホテルに向かうことにした。
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