もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第8章 結ばれた同盟
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そのころマコはホテルに戻ってきていた。マコがロビーに入るとそこには、ウィリアムが立っていた。マコは、さっきの出来事やキースに会わないほうがいいといわれていたので、どうしたらいいか考えてしまった。すると、ウィリアムが、マコがいることに気が付いてこちらに歩み寄った。
「マコレット・・・さっきは悪かったよ。本当にすまないことをした。」
ウィリアムがマコに一礼する。マコは周りにいる人にじろじろ見られて恥ずかしかった。
「え・・・えと、ウィル頭を上げて・・・私気にしてないから。」
すると、ウィリアムがすぐに頭をあげてマコに微笑みかけた。マコは、その微笑みにドギマギする。
「マコレット・・・。今時間があるかな?」
「え・・・えと、いまからちょっとジョンのところに行こうと思っていたの。」
マコがそのことを伝えるとウィリアムの顔色が変わった。そして、マコの腕をつかんだ。
「え?」
突然のことにマコはびっくりする。ウィリアムは、そんな動揺したマコをよそにマコを引き寄せる。そして、耳元でささやいた。
「僕のライバルのところへ何しに行くんだい?」
その声は、低く冷たかった。マコは、背筋が凍った。
「別に、何しに行くなんて・・・。」
「マコレット、君は僕のミューズだよ。他のピアニストのところなんかに渡さない。」
ウィリアムが言うと、マコはますます青ざめる。
「え・・・えと、勘違いしないでよ。ジョンは私の友達だから・・・だから心配しているのよ。」
「じゃあ僕のことは心配じゃないのかい?」
それを耳元でささやかれマコは何も言えなくなってしまった。しばらく沈黙が続いてからウィリアムがマコの体を持ち上げた。マコはびっくりした。
「ちょっと・・・ウィルいったい?」
「僕の部屋に招待するよ。」
それを聞いたマコの表情は硬くなる。
(どうしよう・・・今ここにいるのは、私だけ・・・キースはいないし、ナージャやフランシスだっていない。)
「心配しなくていいよ。君のこととって食べたりしないから。ただ、力を貸してほしいだけだよ。」
マコは暴れようとした。すると、ウィリアムがマコの耳元でささやいた。
「暴れるとキスするよ。」
マコはその言葉にドキッとした。その反応を見たウィリアムが満足そうにニヤリと笑った。
「じゃあ、行こうか。」
マコはそう言われてウィリアムに抱きかかえられたままウィリアムの泊まっている部屋につれて来られた。部屋に入るとウィリアムは、カギをかけた。そして、マコをベッドの上にゆっくりおろした。マコは、この状況が怖くて仕方がなかった。すると、ウィリアムが、マコの上に覆いかぶさり、マコの両腕をつかむ。マコは抵抗しようとするが、ウィリアムの力に勝てない。
「ウィルいったい・・・どうしちゃったの?」
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