もう一人のドリームナージャ10(ブラックバレンタイン編)

□第1章 手紙
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マコは、その日とうとう自分の父親が書いたという手紙を開いた。手紙は、便箋2枚に渡って書かれており、封筒には便箋の他に鍵が入っていた。マコは、手紙を読もうとしたが思わぬ事態に陥ってしまった。なんと、手紙の文字が1文字も読むことができない。
「どこの言葉なんだろう?ドイツ語でも英語でもないわね。」
そんな風に悩んでいるマコを見てキースがマコの手紙を盗んだ。
「キース!ちょっと人の手紙を勝手に見ないで!」
しかし、彼はマコの話など聞いてないみたいだった。
「マコレット・・・これは、フランス語だな。」
「フランス語?」
「ああ。お前の父親はどうやらフランス人だったんかもな。」
マコはキースの言っている言葉を聞き納得する。
「で・・・キースがフランス語読めるの?」
マコはキースをじっと見た。
「俺は、フランス語は、基本的な文法は分かっているが、詳しくは分からないな。」
それを聞いてマコは落ち込む。その落ち込みようが分かりやすくて、キースはなんて声をかけるべきか少し悩んだ。
「マコレット・・・そう落ち込むな。とりあえず、ドイツからフランスに行く必要があることだけ分かったんだ。一歩前進だろ?」
それを聞いた瞬間マコの目は輝き、キースの手を取った。
「キース・・・たまにはいいこと言うじゃない。」
「はあ?」
キースは、正直マコの言葉が一言多いと感じだ。だいたい、たまにはは余計だと思った。
「おまえな・・。」
「そうと決まれば・・フランスに行く準備をしないと!」
マコが言うとフランスに行く準備をするために自分の部屋に帰って行った。
「まったく、俺の気も知らないで。」
キースは、手紙を封筒にしまいながらマコが手紙と一緒に持ってきたテディベアを見た。
「お前のご主人様は、いつも思い付で行動するんだ。まったくもって、いくら俺が元怪盗黒バラでもあいつを相手にするには骨が折れる。おまえも、そう思うようになるさ。」
キースは、テディベアに話しかけた。それを聞いていたテディベアは、心なしか少し困った顔をしていた。

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