もう一人のドリームナージャ8(鎖の魔女編)

□第11章 真実の思い
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マコとキースは、下にあった木に落ちた。その衝撃で、マコは気を失っていた。キースは、マコをおこそうと必死に試行錯誤をしていた。マコの頬をつねったり、少しはたいたりしたが、マコはなかなか目が覚めない。
「ナージャは、5秒で寝ることができるっていっていたが、マコもまさか寝ているわけないよな。」
キースがつぶやいてから最終手段でマコのおでこにでこぴんをした。すると、マコの目は見開いた。
「あ・・あああ。」
マコは勢いよく起き上がった。そして、ぐらぐらと揺れる木の上に自分がいることに気が付き慌てた。
「ははは。」
キースがマコの慌てた姿を見て笑った。
「ちょっとあなたね。人を見て笑うなんて失礼よ。」
マコはキースをにらみつけて言った。キースはその言葉を聞いて、やっぱりマコは自分のことを忘れていると思い、ため息がでた。
「悪いなつい・・。じゃあ、下に降りるぞ。」
キースが手を差し伸べる。マコはその手を払った。
「けっこうです。一人でおりられますから。」
そういうと、マコはらくらくと木を降りた。キースもすぐに木を降りた。そして、マコの腕をつかんだ。
「ちょっとあなた私をどうするつもりなの?」
「俺は、おまえをあの女から助け出したんだ。それだけだ。」
キースが言うと、マコは止まった。キースは必死に連れていこうとするが、マコはその場を立ち止まっていた。
「お母様は悪い人じゃないわ。泥棒のあんたの方が悪いに決まっている。」
マコが言った。キースは、マコの方を見つめた。
「あいつは、おまえの母親じゃない。それに、ここはお前の居場所じゃないんだ。」
キースが真剣に言うと、マコは少しショックを受けたような顔をした。
「マコレット、お前はあいつに記憶を消されているだけだ。きっとナージャやフランシスに会えば思い出すはずだ。」
キースは根拠がないことを言った。実際、本当にナージャやフランシスに会えば思い出すかは分からなかった。
「そんな・・・私信じられない。お母様は私をあんなに愛してくれているのに・・・私にはお母様しかいないのに・・・。」
マコがつぶやくと、キースはマコのその一言を聞いて思わず、マコを引き寄せてマコの唇を奪った。マコの目は見開いた。そして、唇から離れるとキースは、マコを抱きしめた。マコは、心臓が壊れそうなくらいドキドキしていた。
「マコレット、あいつの愛は本物じゃないんだ。だけど、これだけは信じてくれ・・俺の今おまえに対するこの思いは本物だ。」
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