もう一人のドリームナージャ3(操られた貴公子編)

□第11章 薔薇の色
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翌日マコは、馬車で5人と一緒に帰ろうとしていた。ダレンは、マコを見送るために外で待っていた。
「遅くなってごめんね。支度に時間がかかって。」
マコが4人に謝った。
「もう、マコったら。」
ナージャが笑って言った。
「マコレット。」
ダレンが呼び止める。すると、マコは振り向いた。
「あら、ダレン。元気になった?」
「ああ。」
ダレンは、マコの笑顔を見ながら言った。ほんとにいい笑顔をしているとダレンは思った。
「勝負は私の勝ちね。だって、私は、貴族のお姫様なんかになりたくなかったもの。」
マコがそういうと、少しダレンは残念そうな顔をした。そして、マコから渡された薔薇を見た。
(黄色だもんな。)
「そうだね。君の勝ちだ。だけど、この次は俺が勝ってみせるさ。」
ダレンがそうマコに言った。
「それはどうかしら?」
マコは少し面白がって言った。すると、ダレンがマコの頬にキスをした。周りにいた4人はびっくり仰天。
「え!」
マコはきょとんとしている。
「この次に会うときは、君の心を射止めてみせるよ。だから覚悟しとけよ。」
ダレンがマコに向かって言った。周りの4人は、いったいこの数日で何があったんだと思った。しかも、その光景を見たときにその場にいたキースとオスカーは心穏やかじゃなかった。特にキースは、自分がなんでこんなにイラッとしたのかよく分からなかった。
「あと、マコレットこの次もらう薔薇は友情じゃなくて、真っ赤な薔薇がいいな。そう君からの愛がほしいから。」
ダレンは去り際にマコに言った。
「絶対あげるもんですか、このバカ貴公子が。」
マコは大声で怒鳴った。
「なんとでも言ってくれ!でも、絶対今度は君の騎士に俺がなるから覚えとけよ。」
ダレンが手を振りながら去って行った。
「なによ。調子にのっちゃって、行こうナージャ!」
「ええ。」
全ての出来事が整理できないナージャは、後でマコから聞こうと心に決めた。でも一つ確かなことがナージャには分かった。それは、マコは魅力的な女の子であるということだった。




〜続く〜
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