書物‐弐‐

□よろしくどうぞ
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『へ!!?』

「?…あ!!いやっこれは…その…っ」


驚いた声で我に返る。…なんてキザな事を…。
…けど、もう誤魔化したりはせん。


「まき、ワシと付き合ってくれんかのぉ。勿論、恋人として…未来の妻として」

『!!』

「ワシは、老いぼれでお前より20も年が離れとる。
しかも他里へ情報収集しに行ったりして里にいない事もしょっちゅうだ。
忍だから仕方がないかもしれんが、いつ命を落とすやもしれん。
そしたら、お前を1人にしてしまうかもしれんが……こんなワシで良ければ、この自来也の隣で…笑ってくれんかのぉ?」

『自来也様…』


まきの瞳を真っすぐに見つめ、伝えたかった事を全て伝えた。
すると、驚きで見開かれていた何の穢れもない瞳から涙が零れた。
ワシはそれを親指で拭って頬を撫でてやる。…温かい。


『…こんな…大きな女でいいんですか?可愛げもないし…』

「ワシから見たら、小さくて良い女だのぉ」

『それ……オヤジ臭いですよ』

「もうオヤジだのぉ、ガハハ!!」

『…ふふっ、はははっ!』


頬に両手を添えて口付けをしてやると、色っぽく頬を染めながらまきは微笑んだ。



― ― ―



「ぐふふふ…」

「……気色悪い」

「何をぉ!?」

「気色悪いと言ったんだ、このスケベジジイ!!」

「やかましいわ、この飲んだくれババア!ワシは幸せなんだっつーの!」

「はぁ……まさかアイツも想っていたとはな…。
まきはこんなスケベのどこが良いんだか」

「お前には一生分からんだろうのぉ…ぐほぉ!!」

「一生分からなくて結構!!」

『いらっしゃいま…!!?自来也様!?』

「お…おぉ…まき……いつもの団子…」

「私のも頼む」

『え、あ…はい…』

「いったぁ…?なんじゃ、綱手」

「ん?いや、別に?」

「?」

「幸せそうで良かったじゃないか!」


自来也とまきの恋が実って一安心の綱手。
式を終えて春の季節がやってくる頃にまきの体の変化に気づいて綱手が発狂するのは少し先の話。



−終−
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