書物‐弐‐

□ごめんなさい
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「………まき……」

『………………言いたい事があるならどうぞ』


ガイに促された方を向くと、眉間に皺を寄せて腰に片手をついてこちらを見ているまきと目があった。
相変わらず手を繋いでいるリーは反対の手でまきの袖をつかみ心配そうに彼女を見上げている。
どう言っていいかと歩み寄る事を躊躇しているとガイに背中を押された。


「行って来いカカシ!男は当たって砕けろだ!!」

「…あぁ」


いつもは暑苦しいくせに、この日のガイは何故が爽やかに見えた。
まきに向き直り、少し歩み寄る。


「…まき、俺の話聞いてくれる?」

『…』

「あれは…わざとじゃないんだ。
あの子の持ってた荷物が重そうだったから手伝おうとしたら2人してバランス崩しちゃって。
油断して倒れた俺が全面的に悪い。
…でも、顔を赤くしたその子を見てたら……なんかまきを思い出しちゃって…それで動くのが遅れたんだ………ゴメン!」

『…は?思い出した?…何を?』

「えっと…エッチしてる時のまきの顔…」

『「「なっ!!!」」』


ちょっと恥ずかしくて照れてると、まきから今まで感じた事のない殺気を感じた。


『あんたって……ほんっっっとサイテー!!!』

「え!?ちょっ!!!」

『雷切!!!』

「あぁぁぁぁ!!!」

「カカシぃぃ!!」

「カカシ先生ぇ!!」


生きてきた中で、一番痛かった。


『リー!!おいで!!』

「あっ、待ってください!まきさん!!」

『カカシの馬鹿!アホ!一生口利いてやんない!!』

「そ……そんなぁ…」


言葉通り、半年は口を利くどころか目も合わせてくれず、綱手様に泣きながら笑われた。
紅からも冷たい視線を感じるのは気のせいだろうか…。

…まきがいないと、俺死んじゃう……。



−終−
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