書物‐弐‐

□魔人の宝物
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『んん!…ぁ……あっ』

「随分と濡れているな…いつもとは違う場所での行為に興奮したか、この淫乱め…」


秘部に指を抜き差ししたり、中をかき回すようにバラバラに動かす度にくちゅくちゅとわざと音を立てる。
毒舌な彼は平然としているように見えるが、目は欲望のままに獲物を貪る獣の眼をしていた。
目が合った瞬間、俺の体はネウロを欲しずにはいられなくなる。


『!……ウロ……ネウロっ…』

「っ!!」



― ― ―



『……バカじゃないの?あそこで普通やる?』

「貴様が悪いのだ」

『人のせいにしないでよ。…てか、なんでゴムなんか持ってきてんの』

「マキと旅行に来るのだ、万が一の事が起こってからでは大変であろう?」

『……お気遣いドーモ』

「…先程の貴様の乱れ様…あれは中々厭らしk『言うなぁーー!!』」


結局源泉のそばで致してしまい、俺はのぼせて現在ネウロにおぶさって下山中。
午前中に来たはずが、気づけば午後の5時を7分ほど過ぎていた…。


『……明日は俺に付き合ってよね』

「……」

『何そのあからさまに嫌そうな顔』

「面倒くさい」

『1週間お触り禁止』

「チッ…」

『舌打ちすんな、自業自得じゃ』


下山して旅館に戻ると浴衣を着て部屋を出る弥子達と鉢合わせた。


『あ、弥子』

「え、なんでまきがおんぶされてんの?」

『コイツのせいでのぼせたの。弥子はどこ行くの?』

「勿論バイキングぅ!」

『…あっそ。忍ちゃんは……飲みすぎないでよ?』

「分かってんよ」


意気揚々と向かっていく2人を見送り、俺は部屋についている露天風呂を堪能した。
丁度いい湯加減で体の奥まで沁みわたり、来て良かったと改めて思った。
あとで弥子とお土産買いに行こう。


「マキはウジムシと食事に行かないのか?」

『言わなくても分かるでしょ?弥子と行ったら何も食べれないし…。
個別で部屋に料理が来るから大丈夫』

「そうか」

『弥子は今頃半分は食べ終えてるのかな…』

「食い意地の張ったあの便所ぞうきんならやりかねんな」

『ぶっ!…それ言えてる』


湯から上がり、浴衣を着よう……とするが、やり方をど忘れして苦戦。
するとネウロが着付けてくれた。


『…上手だね』

「貴様が着れぬとなるといろいろ“我慢”しなくてはいけなくなるのでな、調べておいたのだ」

『…………変な事する気だったな?』

「貴様だからしたくなるのだ」

『……バカ』


帯を締めて立ち上がったネウロに抱きつくと、俺よりずっと大きな体で抱きしめてくれた。
この瞬間がすっごく好きだ。
温かくて心地良くてとても幸せな気持ちになれるし、頭を優しく撫でてくれる手の温もりに思わずうっとり。

おでこに柔らかい感触があり、上を見上げると今度は唇にさっきの感触がきた。
お互いの存在を確かめるように最初は触れるだけのキス、それが徐々に深いものへ変わってゆく。


「ちゅっ……ハァ……」

『んっ……は…んぅ……』


ネウロの首に腕を回すと腰に腕を回されゆっくりと畳の上に押し倒された。
二人しかいない部屋にちゅっ…ちゅっ…と厭らしい音が響き渡る。

すると………。


「失礼致します」

『っ!!?は、はいっ!!』

「チッ…」

『おい…』

「お夕食が出来上がりましたが、お部屋にお運びしても宜しいでしょうか?」

『あ、はい。お願いします!』


焦った、マジで焦った…。
そういえばここは旅館でした……あっぶねー(汗)
ネウロを見るとちょっと不機嫌そうな顔。
仲居さんが部屋を出てってから頬に軽くキスをしてあげると、不意打ちのキスで驚いた顔になった。


「マキ……」

『続きは後でね…』
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