書物‐弐‐

□温泉と良薬
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行く先行く先、毛狩り隊を倒していくボーボボ一行。
怪我は少ないものの、疲労は確実に溜まっていて…。


「はぁー…疲れたよぉ…」

「頑張れよビュティ!俺達がついてるからよ!」

「そうだぞビュティ、あとちょっとで温泉旅館に着くから踏ん張れ!」

「首領パッチ君…天の助君…」

「じゃぁお前ら自分の足で歩けよ!」


疲れがピークに達して弱音を吐いたビュティを励ます首領パッチと天の助。
良い奴に見えるが、紐を付けたソリをヘッポコ丸に引っ張らせて楽をしていた。


「何してんだお前らぁぁー!!」

「「わぁぁぁー!!!」」


ボーボボが鼻毛で2人を弾いてツッコんだ。
皆の疲労がぐんと増えた気がしてならないビュティであった。


『ふぅ………っ』

「?どうした、まき…顔色が優れないが」

『いえ、何でもないです…ちょっと疲れが溜まっちゃって』

「あまり無理をするな」

『ありがとうございます、ソフトンさん』


後ろの方を歩いていたソフトンは隣を歩いているまきの表情に違和感を覚え声をかけた。
本人は否定しているが、顔色が悪いのは疲労だけではないと。
けれど、それ以上は追及しなかった。
何故なら彼女の恋人であるボーボボが近寄ってきたからだ。


「どうしたまき…気分が悪いのか?」

『ううん、大丈夫…少し疲れただけだから』


ソフトンとまきの会話が気になったボーボボは顔を見るとかなり顔色が悪い事に気づき、すぐに無理をしていると分かるとまきの前にしゃがんだ。


「…乗れ」

『え?』

「おぶってやる、乗れ」

『いやいいって!自分で歩けるから…』

「フィアンセがこう言ってるんだ、甘えてやれ」

『でも…』

「お前…右わき腹怪我してるだろ」

『!』

「えっ、まきさん怪我してるの!?」

「それならすぐに手当てをしましょう!」

「止血ならぬのハンカチがあるぞ!」

「テメーはすっこんでろー!!」

「いやぁぁー!!」


2度も吹っ飛んだ天の助は一足先に旅館前に到着…ではなく落下した。


「俺がお前の事を見てないと思ったか?」

『…』

「あまり1人で抱え込むな」

『…うん、ごめん…』

「分かればいい」


ボーボボの優しい声に意地を張っていたのが少し馬鹿らしくなったまきは素直に大きくて逞しい背中に乗った。


「よっしゃぁ!ヘッポコ丸!旅館まで競争だぜ!」

「首領パッチ静かにしろよ!まきさんは疲れてんだぞ!?」

「目障りじぁー!!」

「げぼぉ!!!」


首領パッチもボーボボに弾き飛ばされて旅館前に落下した。
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