書物‐弐‐
□仙人のヤキモチ
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「「「「「「受け取ってください!!」」」」」」
『ごめん、無理』
― ― ―
他里へのお使いを済ませて木の葉に帰って来て早々、後輩達に囲まれて一斉にプレゼントを渡された。
そして、それを速攻で断って逃げました。
だって、疲れてたし…なんか面倒くさそうだし…。
火影室に何故か設置してある俺専用のソファーに仰向けで倒れこみ腕で視界を塞ぐ。
『はぁぁ……アイツ等なんなの…急に』
「大丈夫ですか?まきさん…」
『…なんかどっと疲れました』
「全く…上忍の癖に情けないのぉ」
『っ!冷たっ!』
聞きなれた声と一緒に頬に当たった物にビックリして声のした方を見ると、恋人の自来也様が立っていた。
『…ビックリしたぁ…いきなりはやめてくださいよもぉー』
冷たい物の正体は缶ジュース。それを貰い飲むとちょっとだけ疲れが取れた気がした。
頭を撫でられた…なんか久しぶりだ。
「ワシの気配にすら気付かんとは…疲れが溜まっとるんじゃないか?」
『そりゃ…Sランクとかお使いとか立て続けにありましたし、あんまり休めてなかったですから』
「何故休まんのだ…」
『今忙しいですからね』
「綱手…」
「仕方ないだろう!他のは任務に出払ってるし…。
頼めるのがまきしかいなかったんだ」
「だからって立て続けはないだろう、この飲んだくれババア!」
「なんだとこのエロジジイ!」
『…また始まった…』
この2人が揃うと必ずと言っていいほどケンカが始まる。
日常茶飯事なので、今更止める気にならない。
騒がしい会話をBGMにしながらひと眠りしようとしたら急に体が持ち上がる。
目を開けると自来也様に抱きかかえられていた。
「まきは預かっとくからな!」
『え、ちょっ…まだ任務が…』
「全く、好きにしろ!こちらでも何とかする」
『何とかって…』
「頼んだぞ綱手」
「あぁ、しっかりと休ませてやれ」
『…あのぉー…』
「帰るぞ、まき」
『あ…はい』
これは聞き入れてもらえないやつだ…うん、諦めよう…。
家に着くなり、寝室に連れていかれ押し倒された。
『…エロオヤジ』
「そりゃあーワシだって男だからのぉ。お預け食らってたらしたくもなるわい」
『本当は、綱手様の前でも襲いたかったんじゃないんですか?』
「……やっぱり分かっとったか」
『これでも恋人ですから』
「かーわいーのぉぉ!!」
『ちょっ…おもっ…』
自分より大きい体で乗っかられて息が詰まる。
体が浮き目が合ったと思ったらキスをされた。
「ワシを待たせた事…後悔せてやる」
『ふふ、お手柔らかに』