書物‐弐‐
□魔人の宝物
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空には綺麗な青空、空気は東京と比べるとかなり澄んでいて気持ちがいい。
今俺はネウロと弥子と忍ちゃんの4人で温泉に来ていた。
前にネウロ達が行った腐蒲温泉ではなく、別の温泉地。
「でもまき、よく温泉旅行のチケットなんて持ってたね!」
『親戚の叔父さんがね、くれたんだよ。当たったはいいけど時間がなくて行けないからって。
どんな所か調べたら100℃の源泉があるってネットにあったし、良い処っぽいから皆を誘ったんだ!』
「源泉?マキ、ここにも瘴気の漂う源泉があるのか?」
“源泉”と聞いてネウロがワクワクと嬉しそうに聞いてきた。
……やば、この顔滅茶苦茶可愛い…!
『瘴気の有無までは流石に確認できなかったけど山奥にあるよ』
「行きたい、マキ行こう!」
『うん、チェックイン済ませたら行こう!』
ネウロの嬉しそうな顔…やっぱり来て正解だったな。
そんなネウロを見慣れない弥子と忍ちゃんは物凄く不審なものを見るような目をしていた。
…あ、殴られた……痛そう…(笑)
チェックインを済ませた後は二手に分かれて温泉街を散策した。
弥子と忍ちゃんは街の散策へ、俺とネウロは源泉へ。
源泉は熱気だけでも相当熱い。
「おぉ!これがマキの言っていた源泉か!」
『そうみたいだね…あっついな…』
「フゥ……瘴気も腐蒲の源泉とは比べ物にならないほど濃い、実に気分が良い」
深呼吸をしたネウロはうっとりとした表情で湯に浸かった。
『気持ち良さそうでよかった』
「こんなに気分が良いのは久々だ。…礼を言うぞ、マキよ」
『いいよ、お礼なんて。俺は喜んでもらえただけで嬉しいから』
「…魔界から出て来て良かった」
『ん?』
浸かっていた手を俺の頬に添えて綺麗な瞳でネウロが見つめてきた……お湯のせいで手が少し熱く感じる。
「貴様に逢えて良かった。魔界では感じる事が無かった幸福を、地上に来て感じた。
…マキに出逢った事で我が輩の心は満たされたのだ」
源泉の傍で座っていた俺にネウロは体を湯から少し上げてキスをしてくれた。
『ん…』
「マキ……」
『ネウロ…』
「愛しているぞ」
『俺も…』
いつの間にか押し倒されてTシャツと下着をはぎ取られてしまった。お陰で上半身は素っ裸、物凄く恥ずかしい。
『ちょっ、やだ…ネウロっ…』
「この程度で恥じらうか…実に可愛らしいな」
『バカっ…あんただから恥ずかしいの!』
「…マキ、大きくない胸を隠してもあまり意味はないのでは?」
『うっさい!!多少はあるわ!!』
ムードもへったくれもない。何故ここでそっち方面のイジりが来るのか…あ、ネウロだからか。
「余所見をするな」
『誰のせいだよ…』
「知らん」
『……服返してよ』
「断る」
カッコイイが怪しく笑っている目の前の魔人様は俺の服を手の届かない所に投げて覆い被さってきた。
ネウロの白くて程よく筋肉のついた男らしい腕が背中に回り俺を抱き寄せ体中にキスをする。
「貴様の体は…我が輩の脳髄を麻痺させるほど甘い」
『っ……は……』
「謎より夢中にさせられる…」
ちゅ…………ちゅっ………
『はぁ……ネウ…ん!』
突然の刺激に体が跳ねた。胸に吸い付かれ全身がゾクゾクする。
胸の突起を吸ったり舐めたり……。
そのままもう片方の手はまだ手を付けていなかったハーフパンツのベルトを緩め下着の中に入ってきた。