Never Ending world
□episode D
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私は覚悟を決めると、その場にゆっくり立ち上がる。
「協力させてください」
彼等は柔らかく微笑むと、深く頷いてくれた。
永「俺達が直接、答えを聞くってのもダメなんだよな?」
沖「僕達が直接、答えを教えることは出来ないからね。答えを知っても脱出出来る人が増えるわけじゃないよね」
原「なるほどな……確かにそうだな。ましてや野菜になっちまってる以上、手助けも出来ねえんだろうからな」
土「一番の問題は、俺達を救う為に迷い込んじまった主人公達をあの場に残しておけねえって事だ」
平「だよな、俺達は今の時点でおこめに助けてもらってるわけだろ? 戻れねえって事はもうねえんだもんな………」
斎「ならば、あの館に答えを書いてしまうのはどうだろうか」
「そ、それは無理だと思う……」
「「ん!?」」
「私もいろんな部屋を回ったんだけど、脱出するためのルートは本当に複雑で、謎もかなり仕掛けられてる。それに……」
沖「それに?」
「私達を脱出させないようにする者がいる。 だから、バレないように巧妙に脱出ルートがバラバラに設置されたんじゃないかな……って」
沖「そっか、本編と似てるような気もするね。 導く者と邪魔する者が居るんだね」
斎「なるほど、仮にあの場に答えを書くにしても、敵に分かりにくく気付かれぬよう書かなければならないのだな」
原「分かりにくく書いてもなぁ、それじゃあ、幾ら答えを書いたって気付かねえよな」
「多分……そんな感じかと」
ここで私に一つの疑問が浮かび上がる。
「あの……」
原「どうした?」
「今回、姿が戻るのは一度だけ、って言われたんだよね?」
土「ああ、確かにそう言われたな」
「人の姿に戻れるのは一度じゃなかったよ?」
平「それって全てが終わった最後だろ?」
「ううん……私ね、途中で土方さん、総司君、はじめ君に会ってるの」
沖「僕たち三人に?」
「うん……」
土「それがどこだったか分かるか?」
「書斎で会ったよ」
土「書斎か……」
沖「おこめちゃん、その話 詳しく聞かせて」
私は、その部分の事の経緯を話すと、三人は難しい顔をしていた。
山南「これは憶測ですが、この話を聞いた事により三人はその場に行き、姿を変えたのではないでしょうか」
土「少しややこしいが、ここで話を聞いて それが 一周 回ったって事か……」
沖「ねぇ、僕達は物語の結末は知ってそうだった?」
「ううん、問題自体の答えは分かってはいたみたいだけど、皆で話し合いながらみたいな感じだったし、全ての事の真相とかは知らなかったかもしれない……かな」
沖「なるほどね、僕達は知ってる事実と知らない事実があるんだね」
斎「その事実が 今、分かっただけ俺達は訪れる皆の力になれるかもしれぬな」
土「まぁ、幾ら知ってても、詳細は俺達からは話せねえんだろうがな」
「うん。そうだね……確かにそんな気もしたかも……知ってるような、知らないような……含んでもいるような……」
沖「おこめちゃん、ありがとう。 僕達も考えてみるよ」
「うん!そうだね。今は一刻も早く攻略を作成しなきゃね」
原「だぁな、よし!ハロウィンの作戦会議と洒落込むか!」
「うん!!」