スラムダンク

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満開の桜に迎えられながら、真新しい制服に身を包んだ学生達が次々と校門を潜り抜ける。

その中に周りの視線を少し集める女生徒が二人。染めた髪に薄化粧。彼女達は配布されたプリントを片手に自分達の該当クラスへと歩を進める。

「私、名前が同じクラスでほんとに嬉しい、ありがとう。今なら泣けそう。」
「泣かないでね。」

自分達の教室へとたどり着くとすでに彼女達の他にも数人学生が居り、時間が経つにつれてだんだんと人が増えて来た。


「あたしちょっとトイレ。」

そう言って荷物を適当な席に置いて教室から出て行った名前を見送り、名前は窓際から外を眺めたり、門から続々とやってくる生徒達の様子を見たりしていた。

少しすると、ざわついていた教室がシンと静かになった。何事かと教室に目を向けると、そこにはいかにも「不良です」と言わんばかりの風貌の人達がいた。中でも一際目を引く長身の男が名前の近くの席に座る。

また少しずつざわつき始めた教室内。怖そう、とか、近寄らない方がいいよね、などと聞こえてくるが、名前は名前がなかなか戻ってこなくて暇していたこともあり、好奇心を抑えられずにその長身の男に話しかけてみた。


「その赤い髪の毛って地毛ですか?」

教室内がまた静かになった。
変なことを言ったかと、突然静まり返った教室内を見渡す。

いきなり話掛けたことで戸惑いを見せていた男だったが、唐突な質問にも律儀に答えてくれた。なんといい奴。

彼は桜木花道というらしい。すごく良い名前だと思う。簡単に自己紹介を済ませ、それからも質問したりされたりと色々な話をしていたら、いつの間にかニヤニヤした人達が寄って来ていた。彼らは桜木軍団というらしい。見た目は怖いけど、とても陽気で面白い人達で、すぐに仲良くなれた。見た目は怖いけど。

「…名前さん?何してるの?」

桜木軍団と談笑していたら名前が戻ってきた。

「名前遅いー!」
「トイレ混んでて帰り迷った。」

特に悪びれる様子もなく名前が言う。

「…で、その人達は?」
「そうそう!名前が戻ってこない間に仲良くなったの!」

赤いのが桜木くんで、黄色いのが大楠くんで、ヒゲが野間くんで、ぽっちゃりが高宮くんで、もう一人が水戸くん!
と紹介すると桜木軍団からつっこまれてしまった。ごちです。

その後は人見知り全開猫かぶりMAXの名前も加わり、先生が来るまで沢山の話をして盛り上がった。

これが私達と桜木軍団の出会い。



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