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□CATch Me If You Can
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(あれは……!麦わらの一味の”泥棒猫”ナミ…と、”わたあめ大好きチョッパー”……!)


グラディウスは忍者のような動きで物陰に潜み、そっと二人の様子を伺った。


(どうする…戦闘はマズイか。近くに仲間がいる可能性が高いし、おれは一人だ。…若に指示を仰ぐべきか)
「なによ、チョッパーが買い物に付き合ってくれるって言ったんじゃない」
「いや、そうだけどさ…」
「女の買い物に付き合うってことは、荷物を全部持つくらい当然!普通は会計も男持ちなのよ?」
「えェ〜!?そうなのか!?」
「世界の常識よ」


なんて理不尽…!
グラディウスは胸元から取り出した子電伝虫をぽろっと落とした。無垢なトナカイへの同情の念を禁じ得ない。…それにしてもあのトナカイ、なんという見事な毛並み…さぞかしもふもふな手触りなのだろう。若も、ああいう生き物に癒されるだろうか……いや、ダメだ。アレは雄だし、だいたい猫じゃない……若は、猫を欲しがっていたのだ。
……ん?猫?






「それで、その『猫』を?」
「は、若の誕生日も近いので、土産に丁度良いかと思いまして」


ドフラミンゴはご丁寧にピンクのリボンをぐるぐる巻かれた猫を、頭から爪先まで舐めるように眺めた。


「確かに、おれはあの時言ったな。美人でじゃじゃ馬な雌猫を飼いたいと」
「はい」
「見た目は上玉だし、肌は白い。毛は珍しいオレンジで、ふわふわの長毛だ。そして気も強そうで、いかにもじゃじゃ馬という感じだ」
「はい……気に入って頂けましたか?」
「フッフッフッ!!上出来だグラディウス、思っていたのとは少し違うが、有り難く頂いておくよ」
「若……!このグラディウス、若に喜んで頂けて光栄で「ちょっと待てーーーーぃ!!!」」


予想斜め上の展開に言葉を失っていたプレゼントは、そこでようやく我に返って絶叫した。


「なんなのさっきから話しを聞いてりゃ勝手なことを!確かに私はちょっと気の強いところがまた男心をくすぐるタイプのキュート美人で、通り名は猫に違いないけどっ!あんたたちが話してるのは、本物の『猫』のことでしょーがっ!!」
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