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□晴れ、ときどきいたずら
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魅力的だと、思えたなら。男でも女でも関係無い。
大切なのは、心の声に素直に従うこと。
もしも、あなたが私を受け入れてくれたならーー


躊躇いなんて要らないの。
存分に、愛し合えばいいじゃない?






「んん〜〜〜………」


大きく伸びをして、新しい朝の空気を肺いっぱいに吸い込む。しっかり寝たと思うけど、なんだか物足りないような気がして、ふわぁ〜〜、と間の抜けたあくびをすると、隣のベッドからくすくす笑いが漏れた。


「おはよう、ナミ」
「あ、おはよ。珍しいわね、まだ寝てたの?」


いつも私より早起きなロビンが、シーツにくるまったままで微笑んでいた。
出会った頃は隠されていた綺麗なかたちのおでこと、美しい鼻梁が、まだ化粧水もパウダーもはたいていない筈なのに朝の光にキラキラして、寝乱れたままの濡羽色の髪もうんとセクシーだ。


「ナミの寝顔があんまり可愛いから、見てたのよ」


無防備な姿を見られていたことに少々気恥ずかしくなって、ちょっとやめてよ、と笑いながらナイティを脱ぐ。とろりとした質感のベビードールは、肌触りが良くて最近のお気に入り。女同士だから遠慮することもなく、上半身裸のままクローゼットを漁る。ショーツとお揃いの、ティールブルーのブラを引っ張り出して、後ろ手にぱちんと留めた。


はらり。ぱちん。はらり。あれ?


何度留めても外れてしまう。ホック壊れたかしら?
ぐる、と首を後ろに回すと、犯人の痕跡がひらひら舞うのが目に入った。


「こら!ロビン!」
「ふふ、ごめんなさい」


いたずらを咎めると、白い手はぱっと消えた。持ち主がベッドから起き上がると、レースをあしらったビビッドな紫があらわになる。コルセットみたいなクラシカルなデザインの下着は、女の私から見てもフェティッシュな感じで、うっとりするほど素敵だった。


「もう…ほら、朝ごはんに行きましょ。おなかぺこぺこ」
「ええ」


連れ立ってキッチンへ向かう。
風は南西、天気は快晴。今日も冒険日和。
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