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□どんなに珈琲が苦くても
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おれたちの船長は、身内の欲目だとしてもすげェイイ男だ。


背もすらりとしてるし、割と細いのに、鍛え上げられた身体は男のおれから見てもカッコいい。顔だって不健康な感じはあるけど整ってる。少し伸びた髭もまたイイ。あの、触れなば斬れんみたいな目つきがたまらない、と、こないだ一緒に酒場で飲んだ女の子が言ってた。
しかも医者だ、海賊だってことを差し引いても、女がほっとく訳ない。


歩くだけでフェロモン垂れ流しの癖に、本人はあまり女に興味無さそうなのが驚きだ。そりゃ船長だって男だから多少は抜いてるんだろうけど、「生きた女は鬱陶しい」だなんて、面倒くさそうに言うんだ。その顔でそんなこと言って、ホント宝の持ち腐れっつーか、おれも一生に一度でいいからそんな台詞言ってみてェよ、うん。


そんなんだから、船長がこの船に女を連れて来た時はマジで驚いた。あの冷静なペンギンですら、洗いたてのツナギに珈琲をこぼしたくらいだ(しかもおれのやつに)。


それにしても船長、まさかあの子と付き合ってたなんて!ホント隅に置けねーなー。
10月5日 晴れ 担当 シャチ




10月5日 終日快晴


8時0分 操舵装置及び各種計器類を点検、異常無し
9時15分 不足医薬品類調査。リスト作成、買い出し班へ委任
13時45分 予定通り島に上陸。ログは一週間とのこと、買い出し班及び整備班、船番班以外は明後日以降出航まで自由行動とする
20時30分 一人で出歩いていた筈の船長が、麦わらの船の泥棒猫を連れて来る。…波乱の予感しか無い。
記録者 ペンギン




10月5日 はれ。とくにいじょうなし


今日は、あたらしい島についた!とてもいい天気で、ぽかぽかして、おれには少しあついくらいだった。
ここはへいわそうで、かいぐんのすがたも見えないし、ゆっくりできそうだ。
今日は、キャプテンが、まちで女の子をひろってきた。キャプテンといっしょにいる子はいつもかわいいけど、ナミは、白クマのおれから見ても今まででいちばんというくらい、すごいかわいい。キャプテンはすごいなあ。この島に、かわいいメスのクマ、いないかなあ。
ベポ(肉球のマーク)
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