Book

□気高き花を手折るように@
1ページ/7ページ

悪魔には黒い羽根が生えているものだと思っていたけれど、こんな派手な色の悪魔もいるんだ。


人は過酷な状況に追い込まれると、時としてそんなどうでもいいような、くだらないことを考えたりもする。






突きつけられた獰猛な笑みに、ナミは正常な思考を失っていた。


返り血を浴びて、長い舌でぺろりと乾いた唇を舐めたその姿は、悪魔か、獣か。
…どちらでも良いことだ。
野兎は捕食される時、自分を飲み込もうとするものが狼なのか虎なのかなんて、いちいち考えたりはしない。




「おれが、怖ェか」


その言葉に、停止していた頭は漸く動き出した。


今、目の前にいるのは。
私を組み伏せて笑うのは。
見せつけるようにゆっくりと、顔についた何かを、服で拭った、


赤い


それは、


ルフィの









「…いやあぁぁァーーーっ‼︎‼︎‼︎」




ーその男は王下七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ