Book2
□愛欲確率論
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後日、同じ面子。囲んでいるのは牌ではないが、カードでもない。
巨人族がゆったり眠れるようなベッドの上の、眩い輝きで男を虜にする宝。とろけた双眸に僅かに困惑の色を残し、赤く色づいた肌をくねらせ、肩で息をする。
「だからってなんで五人でしよう、ってことになるのよ……」
「ごめんねナミさん、ほんとにそれは」
お詫びの意味を込めて、サンジはナミに何度もキスをする。背後から抱き締める形で、耳や肩、髪やうなじに、繰り返し唇を落とす。やわらかな唇や、少し伸びた顎髭が肌をかすめるたび、ナミはふるりと震え、吐息を漏らす。
ホーキンスの突拍子もない提案に、サンジは当初激怒した。が、自分がいないところで残りの三人が喜んで女神の肢体をいいように貪るかと思うと、それはそれではらわたが煮えくりかえりそうで。葛藤の末、結局は欲望に負けた今、全身全霊をもってナミを気持ち良くしようと誓ったのだ。
「突き放せなかった時点でお前の負けだ」
ナミの左手を取って、自らの胸から腹筋にかけ滑らせながらローが言う。目にうっすら涙の膜を浮かべたナミが睨みつけてくるのを、満足げに見つめ返してゆっくり息を吐く。言葉では嘲笑うようでも、その手はしっかりとナミの淡雪色の手を握り締め、自らの心臓の上、ハートの刺青から離れさせようとはしない。
会話を聞いているのかいないのか、黙ったまま今ナミの身体の主導権を握っているのはホーキンスだ。下半身を穿つ熱と、情交の只中とは思えない無表情に温度差があり過ぎる。それでも僅かに眉間に皺が寄り、肌が汗ばんでいることで、ホーキンスにも快感があることはかろうじて伝わる。律動に合わせ揺れる金の髪が何故か艶かしくて、この男に色気を感じる日が来ようとは、とナミは思った。
「あ、う、んんっ」
「……ッ」
ひときわ強い突き上げが襲い、ナミはまた達した。既に何回も男の欲を受け止めた秘所は精と愛液が入り混じってとろとろで、射精された感覚はほとんどない。無言で楔を引き抜くホーキンスを見て、ああ、終わったんだ、とぼんやり感じる。けれどまたすぐに、ひくつく入り口に硬いものが押し当てられる。
「や、あっ」
「あってめ、ナミさんを少しは休ませて差し上げろ!」
「そう思うならその胸の手をどけてやるんだな」
敏感になりすぎた身体は、上からも下からも刺激を受けて、またびくびくと跳ねた。