Book2

□G永遠
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啄ばまれるのを待ち侘びているたわわな果実を揉みしだくと、しっとりと手に吸い付く感触が心地良い。キスと軽い愛撫だけで存在を主張する胸の飾りは、淡雪に苺のシロップをかけたかのようで、誘われるままゆっくり口に含んで転がす。押し退けようとする細い両手は男の片手でいとも簡単に纏められてしまって、唯一自由な足先が頼りなくシーツを引っ掻いた。耳の裏、胸、鎖骨、脇腹と、感じる場所を探るように味わっていくと、とろりと濡れた鳴き声が脳髄に響いてくらくら目眩がするようだ。


「ん、だめ、あと、は」


反射的に仰け反る喉に吸い付く力が強くなったのを、ナミは思わず拒絶した。今夜限りの情交に、所有の痕はかえって切なさを呼び起こす。本当は後引く痛みさえ愛しくて、身体中に愛された記憶を残して欲しいと思うのだけれど。


我慢出来なくなりそうだ、という熱っぽい囁きに、肌の赤みがワントーン上がった。どうしてこんなに昂ぶるのだろうと、ぐちゃぐちゃになりつつある思考でナミは思う。腰が痺れるような熱に浮かされて、まだ触れられてもいないそこは、もうはしたなく蜜を吐き出している。


ドフラミンゴはそれに気付くと、はち切れんばかりに滾った欲望を取り出して、同意を求めるようにナミを伺った。本当はもっと隈なく、順序良く愛してやりたかったが、甘い蜜を撒き散らしながら咲き乱れる花を前にして、待てが出来る程お行儀の良い人間ではなかった。タイムリミットのある幸福に、一刻も早く繋がりたいと思うのは、ナミも同じで。


熱い楔が勢い良く捻じ込まれると、広い部屋に甘い嬌声が響き渡った。挿入の刺激だけで達してしまったのか、狭い内壁はひくひくと震えて男を締め付ける。十分に潤ってはいても元々の規格が違うので、苦しげに繰り返される呼吸を労わるように頬を撫でた。頭上に纏めたままだった手首が目に入る。征服して刻み込む趣向も悪くないし、むしろ好みではあるけれど、今はそれが相応しくない気がして、両の手指を絡め合わせた。


まるで普通の恋人同士がするようなその行為に、ナミは目を丸くすると、嬉しそうに微笑んだ。途端に恋を知った少年のごとく早鐘を打ち始めた鼓動を悟られまいと、ドフラミンゴはフルスロットルで律動を開始した。
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