Short.

□ば れ ん た い ん
3ページ/10ページ

.







side.Yotm







「りょうすけ〜っ♪
はい!はっぴーばれんたいん!」







「いーのちゃん 。はい!」







今日はバレンタイン 。カップルだらけの
JUMPの楽屋はこの日はいつも
以上にピンク色に染まる 。





全員鼻の下伸ばしやがって .. っ






俺はというと 、







「ねえ 、知念!俺にはないの?」







なんて 、知念にくっつく薮を
見ることしか出来ない 。







別に付き合ってる訳でもないし 、
貰えないのは当たり前なんだけど 、
“今年こそ気持ちを伝える”って
決心し続けてそろそろ10年 。





今年こそは 、絶対 。







「や 、やぶ!」




「ん?改まってなに?」






みんな帰って2人っきりの楽屋 。
伝えるなら 今しかない 。







「あ 、光 。はっぴーばれんたいん」





俺がうだうだしているうちに
目の前に差し出されたラッピング
された小さな箱 。







「え .. ?俺に?」



「うん 光に 。」





やべえ 、俺今絶対ニヤけてる 。







「 .. ずっとあげたかったんだけど 、
あげていいのか分かんなくて 。」





え?ずっとあげたかった?







「俺ね 、光のこと好きみたいなの」





「っ .. まじか」







「うん 。こんな嘘つかないよ.笑」





「だよな 、うん 。あのさ 、
俺も 、薮が .. 好き なんだけど」






そう伝えるとポカーンと口を
開けて俺を見つめている 。






「さ 、帰ろっか 。」







大好きな君からの甘い甘いチョコレート 。







( ねえ 、これ何? ).



( カップケーキのつもりなんだけど .. ).



( カップケーキに見えない ).



( .. 来年はちゃんと美味しいの作る ).







Fin.







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ