昨日のデルニエトラン Yesterday’s dernier train.

□3.
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次の日の放課後、理科準備室。

「今日も集会さえ無かったっスねー。」

莉乃はクロッキーでタワーを創作しながら言った。
よく小学校の時に俺もやっていたが、今莉乃が積んでいる半分ほどしかバランスが取れなかったことが頭に浮かんできた。
イカン、イカン。クロッキーとの思い出を思い出してどうするんだ。
部屋を見ながら心を落ち着けていると、部員が一人足りない事に気がついた。

「ともちん、緋菜知ってるか?」

ともちん―――――改め友久は、数学の課題をしながら、俺の問いに答えた。

「あぁ、しばらく休むとか言っておったな。」

「そういうことは部長の俺に言えよっ!あと、ともちん。その戦国武将みたいな話し方やめなよ?そう言う感じで個性出しても人気でないよ?」

「バックにジャラジャラとキーホルダーをつけて。目立とうとしておるのはどこのどいつじゃ、まったく。」


後ろで莉乃が吹き出す音と、クロッキータワーが崩れる音がした。

べ、別にいいだろ?!あの、その、重いほうが持ってる感があるだろ?!みたいな?

クラスの女の子から
「わー、翔平くん、凄いイケてるー!」
って言って欲しいとかそんなんじゃないから?!
「っ..ツッキー新なこと思ってたんすか..?!」

「わ、悪い翔平..。..その..本当だとは思っとらんでの..。」

何だよ、墓穴掘っただけじゃねぇか?!白むぬ存じぬで通しときゃよかった!

「ともちん、そんな情報どっから手に入れたんスか?」

友久は実は..と話しだす。
「パンドラボックス..って聞いたことないじゃろうか..」

俺は知らない。莉乃も同様に首をかしげている。

「PB(パンドラボックス)は情報屋じゃ。代償と引き換えに情報をくれるんじゃ。代償は情報だったり、それこそ金だったりじゃ。」


作成中でござる
 

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