毒舌芸人が恋人です。

□足フェチ男子
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扉を開けると、先ほど放置していたヒロの姿はなかった。




リビングから光が漏れている。




起きたのか。




「ヒロー大丈夫?」




そう言って部屋に入ると、スウェット姿のヒロが、キッチンで水を飲んでいた。




「大丈夫。ていうかどこ行ってたの?」



そう言っているが、顔は酷い。



「覚えてないの?山崎さんたちがヒロのこと送ってくれたから、下まで送って、タクシー代渡してきたよ。」





「ああ…悪い。俺の財布から取っていいから…」




ヒロはそう言って髪をくしゃくしゃと毟った。




「金田さんと村上さんに初めてお会いしたよ。」




「あっそう…ちゃんと紹介できなくて、悪かったな。」




ヒロは少しだるそうだ。




「ちょっと大丈夫?」




お酒で泥酔しても、笑い上戸であまりだるそうにすることはないヒロだけに、




「…なに、その格好で外行ったの?」





ヒロが私を上から下まで見て、怪訝な顔をした。




「え?うん。急だったから、着替えられなくて…」





膝上のロングTシャツにカーディガンを羽織っているだけの自分の格好を見た。




ヒロがコップを置いてから、強い視線で私をまっすぐ見て、私のほうへ詰め寄った。




「な…何?」




目力に押されて、私は退けた。




「脚…出し過ぎ。」



ヒロは、近づき、息がかかるほどの距離になると、私の太ももを撫でた。




「…ちょっと…。」




私はヒロの手首を握って制止した。




「村上なんてこれくらいで、すぐ興奮するかもな?」




ヒロが威圧的な目で、私を見下ろしていた。




「…なに言ってんの。」




私はなんとか作り笑いをした。




「そんな風に見せびらかすなよ。」




ヒロが私を持ち上げて、寝室へ運んだ。




降ろしてと訴えても、聞こえていない。




ヒロは私をベットに投げ出すと、すぐに覆いかぶさり、脚を撫で回した。




「ちょっと、ヒロ、やめて…」




「誘ってきたお前が悪いんだよ」





ヒロがそう言って私の足に触れながら、私を見上げて言った。




「誘ってないから…」




私はそれから逃れようと、足をジタバタさせた。




「嘘つくな。見せ付けてただろ?」




ヒロはそう言いながら、脚を撫で回していた。




見せつけてたなんて、そんな言い方は心外だ。




「それは、ヒロが勝手に興奮してただけでしょ!」





普段そんなにしつこく集中的に触られることのない脚に神経が集中し、変な心地になってくる。





「あんま暴れると、噛みついちゃうかもよ。」




「ちょっと…怖いから。」




ヒロなら歯型を残すくらい普通にやってしまいそうだ。




「言っとくけど、俺は別に脚フェチではないから。お前の脚じゃなきゃ興奮しないし、他の美脚女に嫉妬する必要はないから…」




自惚れんなタコ!!




だいたい、今更脚フェチなんてカミングアウトされても困る。




心の中でそう思ったが、声に出すと、後が怖い。



「おまえ今、失礼なこと考えたろ」



ヒロが私をにらんだ。



「考えてません」



いつもは使わない敬語で、大きく首を振った。




しかし、その瞬間、ヒロが私の片足を持ち上げて、内腿を舐め、跡をつけた。




「ひゃあっ!ちょっとぉ…」




驚きとその感覚で、反論する力がなくなる。




「感じてんの?」




ヒロの悪魔顏が嬉しそうに私を見上げていた。




「やめて…」




「ん?…なにか匂うよ。」




ヒロの鼻がひくひくと動いた。




「な、なに…?」



嫌な予感がして、私は腰を引いた。



「ここか…」



ヒロが私の腰をつかみ、引いた腰をぐっと自分の方へ引き寄せた。



「ダメ、そんなとこ嗅がないで!」



太ももを腕で抑え掴み、股を無理矢理広げると、ヒロは股に入り込み秘部の匂いをかいでいた。




「すー…っ…ハァ」




そこに感じるささやかな風と、ヒロが鼻を鳴らすおと、そこにヒロの顏があるというだけで、奥がきゅんとした。




「いやあ…」




「スーッ…ハァ、厭らしい匂いだな」




声色からヒロが興奮して喜んでいるのがわかった。





しかしつまり、私がそれだけ恥ずかしいことになってるということだ。





「やだあ!」





ヒロは鼻を敏感なところに擦り付けながら犬みたいに嗅いだ。




…恥ずかしい…。





「や、めてっ!」





私は腰に力を入れて、ヒロの腕から逃れようと抵抗した。




「なら、もっと抵抗しろ」




それを余裕そうに見つめる、ヒロ




「ぅうっ…ばか。」




「ククッ」




「ああっ」




ヒロはパンティをずらして、そこに息を吹きかけた。




「…直接舐めてやるよ」





「ひっ、あっああっ…」




じゅ、じゅるぅぅっ…ぴちゃっ…




ヒロの舌が私の中を進む。




快感で背中は弓なりなしなった。




余りある快感から逃れようとするが、腰は強く抑え込まれていて、逃れることは許されない。




「やだっやめ…ヒロ…」




苦しくなるほどの快感が、押し寄せる。




「締まりがイイな、舌を突っ込まれて勝手にイクな」




「やんっむり、むり!っふあ!?」




ヒロは私が達しそうになる直前で、素早く舌を抜いた。





「挿れさして…」



そういって、自らズボンに手をかけた。



私はその間、なんとか息を正す。



「ちょっと待って、ヒロ酔っ払ってるから…」



「関係ないでしょ」



それでも下半身は高ぶったままで、腰がときおりピクピクと勝手に痙攣した。



ヒロは自身を取り出すと間髪入れずに一気に挿入した。




「っや、ぁああん!」




ずぷっ…ぐちゅ、ずちゅっ…



激しい腰の動きに、私は声をあげ、ただ、ヒロの肩に捕まるだけだった。



「くっ…!」



「あっあっ、だめっ」



ぢゅ、ぢゅっ



高まる熱のなか、激しく腰を動かしたまま、ヒロが荒々しく私の乳首に吸い付いた。




「!やあっ乳首…だめ!」



強い快感に襲われた。



「ふあぁイく…だめだめ…!」



「…ッ!うっ!」



「ひっ、ああぁあ!」



ほとんど同時に絶頂を迎え、ヒロが欲望を出し切るのを待った。




ヒロは何度か腰を動かし、余韻に浸っていた。




私はヒロが抱く腕の暖かさに微睡んでいた。




「はあ…脚もいいけど、やっぱるいがいいな…」





そう言ったヒロの声はこの上なく穏やかだった。




こんな声はきっと私一人のものだと勝手に想うことにした。




「本当、変態…」




私は呆れたように言った。




「そういえば、村上たちが来たって?」





「ああ、うん。かわいいって言われたー!」





「おまえ、それはわざとか…?」




「え?」




「もう少しいじめた方がよさそうだな。」




ヒロがにやっと笑った。
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