それでも毒舌芸人が恋人です。

□俺の家
1ページ/1ページ



「ただいまー!」



家のドアを勢い良く開けた。



「るいー!ただいま!」



廊下を抜けて、リビングのドアを開ける。



しーん



電気がついてるのに返事がない。



「いねえ?」



俺はぶすっと立ち尽くした。



しかしソファのところに歩くと、そこで小さくなって横になるるい。




俺はソファの前に回って、腰を下ろす。



気持ちよさそうな寝顔をつんつんと突く。




「るい!ただいま!」



俺は少し大きな声でそういって、るいの体を揺すった。




「んあ・・・わ、ヒロ・・・おかえりい・・・」




覚醒しきれてないるいが目をこすりながら言った。




「ただいまー!」




俺はるいの頬を両手でつまんだ。




「んああ・・・ヒロ、酔っ払ってる?」




「まあまあ。」



俺がにんまり笑うとるいがあきれたように笑った。



「んー何時?」



るいは体を起こして、首をぐるぐると回した。



「12時半!」



「そっか。ヒロ、お風呂沸いてるよ?」



「おっさんきゅっ」



「お風呂でおぼれないでね。」



「そんなに心配してくれんの、るいだけだよ!」



俺はるいに抱きついた。




「わ!なにー?ヒロ、酔っ払いすぎ。」



るいは笑って俺の背中に手を回した。



「今日、すげえ気持ちよく飲めたんだよなー。」



「そっかそっかよかったね。」



るいは子供をあやすように、頭を撫でた。



「るい、起きて。」



俺はすっと立って、るいの手を引いた。



「なになに?ヒロどうしたの?」



るいは笑いながら、なすがままに立ち上がった。



「俺、踊りたいから付き合って。」



「はー?」



俺の前でるいが楽しそうに笑ってる。



なんかさらに楽しくなっちゃって、俺は歌い出だした。



「I love you baby and if it's quite all right♪」



俺は歌いながら、るいの腰に手を回した。



「I need you baby To warm the lonely nights♪」



るいは俺の手を握って、ステップを踏み出した。



「 I love you baby Trust in me when I say♪」



るいと見詰め合うとるいがまたにやっと笑った。



3曲くらい歌い狂う俺を、るいはずっとにこにこしながら俺を見た。




「よいしょ!」



「きゃあ!なに!ちょ、ヒロォ!」



俺は急な衝動に駆られてるいを横抱きした。



るいは目を丸くして、俺の首に抱きついた。



「You're just too good to be true I can't take my eyes off you」



俺はるいを無視して気持ちよく歌い続ける。











「はあー!」



俺はるいを床に下ろすと、ソファに体を投げ出した。



「あー怖かったあ・・・」


るいは胸をなでおろした。


「びびりすぎだよ。」


俺は苦笑いして、るいを見上げた。


「だってヒロ、酔っ払って、ちょっとふらふらしてるんだもん。」



「落としたりしねえよ。」



「ヒロ、汗かいてる。お風呂入ってきな?」



「おお、入ってくる入ってくる。」



頭がぽかぽかしてきて、動いたらさらに酒が回った気がする。



「なんかいつも以上に変なヒロだったね。」



るいはそういって、洗面所のほうに行った。



こんな日もあるから、気長に付き合ってくださいよ。












おわり

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ