短編夢小説

□さあ、言え
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「ねー、京介ー」

「何だ」

「大好きー、愛してるよー」

「…そう、か」

今私は、最愛の彼氏である烏丸京介にベタベタしているところです。

告白してくれたときは嬉しかったけど、その時は、

「付き合ってくれ」

…これだけ。

ありえないでしょ!?

それでも、嬉しかったけどさ……

普通、「好きだ」とか言うよね?

だから、京介の口から一度も聞いたことない

「好き」か、「愛してる」を言わせます。

今日こそは…っ!

「ねーぇ、きょーうーすーけー」

「…うるさい」

むむっ!聞き捨てならない一言ですね!

ならば…禁句をしゃべらないと…

「京介…。私のこと、嫌いなの?」

「…は?」

「だって、一回も好きとか、愛してるとか、言ってくれたこと、無いじゃん…」

少し、沈黙があった。

「…ナル」

京介は私の名前を読んで、そっと抱きしめてくれた。

「…京介、いい匂いがするなぁ…」

「…それはどうでもいいだろ」

「んー…」

そうして、しばらく抱き合ったあと。

「ナル、…好きだ、愛してる」

「…!」

まさか、言ってくれるなんて。

「えへへ…。私はねぇ…。だーい好き!」

「…反則、狡いぞ、ナル」

 

 

 
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2015/04/26   fin.

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