短編夢小説
□好きと殺したいは、
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私には、一つ年上の彼氏がいる。
名前は、烏丸京介。
かなりのイケメンで、ボーダーの中でもかなり人気があるとか…。
でも、最近ちょっと様子がおかしいの。
私が学校帰りに、たまたま男子のクラスメイトと帰り道が一緒になったから、並んで歩いてた。
そしたら、烏丸先輩が後ろから突然私の腕を引っ張って半ば強引に連れ出した。
後で話を聞けば、
「…嫉妬した、悪い。」
なんて、似合わないしゅんとした表情で謝った。
ちょっと、ドキッとしちゃった。
先輩がおかしくなったのは、それから。
支部で、迅さんやレイジさんと一緒にいるだけで、すぐ不機嫌になることが増えた。
ある時は、私にとても怖い表情を見せた。
あの時は、殺されるかもって直感的に思った。
そして、今。
「先輩、」
「…ナル。」
烏丸先輩は、私の体を自分の部屋に縛り付けている。
「先輩、やめて、下さい…。」
「…ナル、お前は、誰のだ…?」
「私、は…」
先輩は、とても愛おしそうに私の名前を呼んで、話しかけてくる。
「なぁ、ナル。」
「っ…。」
私は、無言を貫いた。
「…」
すると、先輩の顔が…変わった。
「…もういい。お前が俺の事を何も感じていないなら、俺がお前を殺して、お前を俺の物に…永遠に、俺の物に……………!!!」
「えっ…。」
先輩はそう言って、机の上にあったカッターナイフを手にとった。
「…!」
それを見て、私の体はガタガタと震えだす。
「せ、先輩…。」
カチカチと刃を出し始める。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
「…ナル。愛してる。ずっと、ずっーーーーーーーーーと……」
先輩は、最後に私の名前をとても愛おしそうに呼んだ。
その直後、
私にカッターを突き立てた。
カッターナイフが刺さった所から、赤い液体が吹き出して、私と先輩を濡らす。
痛い、痛い痛い痛い痛、い
「先輩…ごめんなさ、い…。」
私があの時、先輩の異変に気がついていれば…こんなことには…
私の意識は、赤に染まった先輩を見つめて途切れた。
「ナル、なんで謝るんだ…?でも、いい。これで永遠にナルは、俺のモノだ…。」
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2015/04/05 fin.
2015/04/27 加筆