11/24の日記

23:25
モブシテンマコハル
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ガチ鳥取滲み出てます。


我らが岩鳶高校には、半ば公認のカップル(?)がいるーーけど、俺はそう思わない。

一人は橘真琴。
高身長に筋肉がついた体、明るい茶髪に緑のたれ目のイケメン。その上、分け隔てなく全員に優しい上に、リーダーシップまであってちょっとこわがりという一面が女子には堪らないらしい。優しくて、穏やかでーー束縛が強い。

七瀬遙
無駄のない体に黒髪碧眼。しかも黒髪はまさに吸い込まれそうな黒で、瞳は海みたいに真っ青な美人。真琴が「ハルは感性が違いすぎて表情が中々おっつけんから」と言っていた無表情無愛想で我が儘でーー全部を肯定してしまう。

こんな田舎なもんだから殆どの人間が小中九年は当たり前、保育園からだって当たり前。待機児童?何それ???(実際0人だと社会の先生は言っていた)なもんだから幼馴染みってのは結構珍しくないが、高校になると話が違う。三十数人のクラスメイトなんざ秒で散る。
だからこそ、この二人は珍しい。しかもイケメンだ。都会で街角スナップとられてそうな位の。
そんな二人は距離が近くて、女子はキャーキャー、男子はまたやってるぜアイツラ…みたいな空気である。実際、俺も前まではそうだった。
おかしいな、と思ったのは体育の授業のとき、更衣室で下世話な話で盛り上がっていたときだーー橘すら話に加わってボルテージは最高潮。あの女優の胸がーだとかあー誰でもいいから寝てーなクラスの女子ー!!とか言い合ってるなか、ふと、七瀬の方を見たら。何も分からない子供のように、不思議そうにーこちらをただジィっと見ていただけだった。
そんな下らないことだった、七瀬遙の破綻に気付いたのは。
七瀬は運動も出来れば、勉強も、芸術もできて、なのにーー変なところで、異常なほどに無知だ。
その上異様な迄に純粋で、脆い。とても、生きていけないくらいに。

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