I I want to protect than any is your blood

□太陽
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俺が出会った少年は
太陽みたいに眩しくて
もう、俺みたいな奴は直視できないくらいの眩しさで
逃げて
逃げて
逃げて
けどついてきて俺を世界に放り投げて
段々、変な感情が沸いてきて
心がボワーッとなって、一緒にいると何となく幸せで、心地よくて。
多分、その気持ちの名前、俺はわかってる。
けど言ったら、きっとこの強くて脆い足場は崩れてしまうと思う
だからこのままでいいんだ、このままで。そう、思っていたんだ。
けどその太陽みたいな少年は俺のドアを叩いてくる。
やめろ
やめろ
何回叫んだって、声が小さくて、ノックが大きすぎて聞こえない。
何を隠してる
怒らないからさ、ほら
そうやって、ドアを叩き壊した。
そいつの瞳は、すごく綺麗で
俺の澱んだ目には、眩しすぎた。

抱き締めたら、暖かかった。
日溜まりのような香りがした。
その体はけして大きいとはいえない。頼りない体。
なのに大きく思えて。
脆そうで、けどギュッと抱き締めたのに壊れなくて。
俺の闇を、全部を受け止めてくれた。
俺の思いも、受け止めてくれた。
“好きだよ”と言ってくれた。


強く、強く抱き締めた。

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