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□206は癒し
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206号室と205号室がこの合宿の癒しであろう。
部屋割りを見たとき、恐らく何人もの人がそう感じたはずだ。
次期部長が集まる205は、三年生にとって微笑ましいものであるし、一年生三人組と弟属性なのに兄属性になってしまった二年生には二年生の一部や三年生にとって可愛らしいものであろう。
だからといってー
「…部屋、出れないんだけど」
底の知れない笑顔で部屋に押し掛ける過激派は正直どうかと思う。
就寝しているとき、少し物音がして蔵兎座と戸を開けたら、これである。
横を見ると205号室でも似たような現象が起きており、早寝早起き状態の206とは違い他の部屋は割と遅寝早起きのため、全員が起きており、トランプを手に持っていたので、ババ抜きでもしていたのだろう。
そんな事を思っていると、この部屋唯一の二年生の兄、不二周助が口を開き、開口一番こう言い放った。
「裕太、出してくれない?」
「…無理っす」
「無理デース、寝てマス。」
やっぱりか、
リョーマも蔵兎座もそう思い、顔を見合わせて溜め息をついた。
何か背後では忍足従兄弟による東西ルーキーズ自慢2ndが始まり、後ろからは観月が覗き、白石が大分詰めかけている。
205は鎌也や乾、真田、幸村、跡部が覗き、時々人が入れ替わったりあっちにいた人が来たりこっちにいた人があっちに行ったりと、現場は混戦状態だ。
「金ちゃんおらへん?」
「いますけど寝てマース」
頑張れ蔵兎座、アンタが盾だ。
そう言わんばかりに、リョーマはそっと蔵兎座を前に押し出した。
一瞬蔵兎座がこちらを恨めしげに見たのに目をそらして。
それに騒動で金太郎と裕太もおきかけている。
いつまで続くやらこの騒動。

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