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□strawberry lip
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「いたっ」

部活が終わり、ユニフォームから制服に着替えている時に輝が小さく声をあげた。
見ると指で唇を押さえている。

「輝、どうした?」

心配になって聞いてみると、輝は困ったように眉を下げて手を唇から離した。
唇には血が滲んでいた。

「あー...切れちゃったんだ」

「はい...痛いです...」

「大丈夫?」

舌を出して血を舐めとる輝の唇をそっと撫でる。
すると輝は顔を真っ赤にして、俺の手を避けるように俯いた。
そんなに恥ずかしいことだったか?

「り、リップクリーム塗るんで大丈夫です...っ」

上はユニフォーム、下は制服のズボンという中途半端な格好でごそごそと鞄をあさった輝が取り出したのは、可愛らしいパッケージの香り付きリップクリームだった。
女子か!とツッコミたくなる衝動を必死に抑えて着替えをすませる。

「狩屋くん!ほら、いい匂いでしょ?僕イチゴの匂い好きなんです」

輝はキャップを外してリップクリームを俺に近づけた。
女子が身に纏いそうな甘い香りが漂う。
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