□ベイビーアイラブユー
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「     お、    おじゃまします 」


はい、 いらっしゃい、   ひとつふたつ  優しく返事をして

あなたが先を歩き部屋の明かりをつける

はじめてくる あなたの部屋







ベイビー アイラブユー







ここ数ヶ月ほとんど毎日連絡をとっていて
ずっとあなたのファンだった私は すごく図々しく自分の幸せばかりかんがえるようになった
あなたを失いたくないと   このままでありたいと 彼は私のことが好きなのかもしれないと  いつか一夜の相手で終わるかもしれないと  いやただの話し相手なのかと 声の音色や文の細かな先まで見つめて私はあれやこれやと考えた

あなたのものになりたかった


来週うちに来るか問われたときはしょうじき
よくわからない嬉しさと 緊張と すこし軽蔑したモヤモヤや せつなさで胸がいっぱいになった

くるところまできたと   縮んでいく喉に耐えるように空を仰いだ

それでもわたしは図々しく よかったら遊びに行きたいですと
強気になった1日の終わりにそう返事をした


ふ、とながめる 大好きだったあなたが
かわいくポラロイドで微笑んでる

わたしはこの人が好きだった


ほんとうに  あひるに似てるって気づいたとき
毎日 ゆっくりすこしずつ  あなたのことであたまがいっぱいになった

新鮮な感覚をいまでも覚えてる

どうしても失いたくなくて
もしかしたら、 を    逃したくなくて

家に行くことを約束した  そんな事実が頭をよぎる


ただ  あなたが好きで   あなたと、  幸せになりたい


神様。  「 うぅ。」 たすけて。   お願い






pipi   、




メッセージを受信した携帯が光って
あなたからだ、と なぜかやわらかい確信をもって画面を開く




わたしはただ    あなたが好きで

好きで  好きで



きゅんと胸が締め付けられる 心地悪さと広がっていく確かな温もりを感じながら
あなたが大好きだから あなたにまかせようと
夜に光る優しいメッセージをみて、思った







"ありがとう!ごめんね。仕事終わりになるけど、名無しさんちゃんと一緒に観たいDVDがあるからよかったら一緒に観よう😁"

















後編に続きます。










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